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花火大会・夏フェスの体調管理ガイド|人混みと暑さ対策
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花火大会・夏フェスの体調管理ガイド|人混みと暑さ対策

小鷹 悠二監修者

おだかクリニック 循環器内科 副院長

小鷹 悠二

花火大会や夏フェスでは、事前の持ち物準備とこまめな水分補給・休憩が体調管理の基本です。

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花火大会・夏フェスで熱中症リスクが高まる理由

夏の屋外イベントでは、高温多湿の環境に長時間いることに加え、人混みによって体に熱がこもりやすくなります。2023年夏に日本で開催された大規模ロックフェスティバルの調査では、4つのフェスのうち3つで暑さ指数(WBGT)が31℃以上の「危険」レベルに達していました。さらに、開催地域での熱中症による救急搬送が増加していたことも報告されています[Environ Health Prev Med. 2026;31:5.]。この調査結果は、花火大会や夏フェスに参加する際にも、暑さへの十分な備えが欠かせないことを示しています。

大規模な屋外集会における熱中症の対策をまとめた報告もあります。この報告では、個人の体調や持病、環境の暑さ、人混みの密集度といった複数の要因が重なることで、熱中症のリスクが高まると整理されています[Front Public Health. 2022;10:957576.]。花火大会や夏フェスでも同様にこうした要因が重なりやすいため、あらかじめ対策を立てておくことが大切です。

イベント前の暑さ対策と持ち物準備

屋外活動における暑さ対策の指針では、準備段階でのリスク評価が重要とされています。特に暑熱順化(しょねつじゅんか=体を暑さに慣らすこと)が推奨されています[Wilderness Environ Med. 2024;35(1_suppl):112S-127S.]。この考え方は花火大会や夏フェスにも当てはまります。イベントの数日前から散歩などで軽く汗をかく習慣をつけておくと、当日の暑さに体が対応しやすくなると考えられます。

持ち物としては、帽子・タオル・携帯扇風機の持参が有効です。日本の夏フェスでも、包括的な対策を行った会場ではこれらのアイテムの持参を参加者に呼びかけていたことが報告されています[Environ Health Prev Med. 2026;31:5.]。加えて、日焼け止めも有用な対策アイテムのひとつとされています[Front Public Health. 2022;10:957576.]。

日本の環境省が公表している夏季イベント向けの対策指針では、WBGT(暑さ指数)が28℃以上になると熱中症のリスクが特に高まるとされています。主催者側にも水分補給施設や日陰・休憩所の十分な設置が求められています[環境省. 夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン 2020.]。参加者としても、イベント会場の安全対策情報を事前に確認しておくことが大切です。

花火大会・夏フェス当日の水分補給のポイント

水分補給のタイミングについて、スポーツ医学の指針では、活動開始の数時間前から飲料を摂り始めることが推奨されています。排尿が正常な量・色になるまで水分を補給しておくことが目標です[Med Sci Sports Exerc. 2007;39(2):377-90.]。花火大会や夏フェスでも、会場に着いてから慌てて飲むのではなく、出発前から少しずつ飲んでおくことがポイントです。

イベント参加中は、のどが渇く前にこまめに水分を摂ることが大切です。汗をたくさんかく場合には、電解質(ナトリウムやカリウムなどのミネラル)を含む飲料が水だけよりも有用な場合があると報告されています[Med Sci Sports Exerc. 2007;39(2):377-90.]。経口補水液やスポーツドリンクを持参しておくと安心です。

なお、水分補給の適量は体格や発汗量によって個人差が大きいとされています。自分の体調を確認しながら調整することが推奨されています[Med Sci Sports Exerc. 2007;39(2):377-90.]。

人混みの中で意識したい休憩と日陰の確保

大規模屋外イベントでは、日陰や休憩所の確保が重要な対策のひとつです。帽子や日焼け止めに加え、日陰の活用やミスト設備の利用が有効と報告されています[Front Public Health. 2022;10:957576.]。花火大会では開始までの待ち時間が長くなることも多いため、可能であれば日陰の場所を選んで待機するようにしましょう。

環境省の指針でも、暑い時期のイベントでは休憩をこまめに取ることの重要性が強調されています[環境省. 夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン 2020.]。体調に少しでも違和感を覚えたら、無理せず涼しい場所で休むことを優先してください。

花火大会・夏フェスを安全に楽しむうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

花火大会や夏フェスを安全に楽しむうえでの3つのコツと理由をまとめた表です。1つ目は「出発前からの水分補給」で、イベント会場に向かう数時間前から少しずつ水分を摂っておくことです。理由は活動開始前に体内の水分バランスを整えておくことで、脱水を防ぎやすくなる可能性があるためです。2つ目は「帽子・携帯扇風機の持参」で、直射日光を遮る帽子や体を冷やせるアイテムを準備することです。理由は日射や高温環境から体を守ることで、体温上昇を抑えられると考えられているためです。3つ目は「こまめな休憩と日陰の活用」で、定期的に日陰や涼しい場所で休憩することです。理由は長時間の暑さにさらされ続けることを避けることが、熱中症リスクの軽減につながると考えられているためです。

特に重要とされるのは、出発前からの水分補給とこまめな休憩を組み合わせることと考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ

花火大会や夏フェスは夏ならではの楽しいイベントです。事前の準備と当日のこまめな水分補給・休憩を心がけることで、より安心してイベントを楽しむことができます。

一方で、体調の異変を感じたら、すぐに涼しい場所へ移動し、水分と塩分を補給してください。症状が改善しない場合には、医療機関への受診をご検討ください。

まとめ:花火大会・夏フェスの体調管理で押さえたいポイント

  • 熱中症リスクの認識: 夏の屋外イベントでは高温・人混みにより体に熱がこもりやすく、熱中症のリスクが高まります
  • 暑熱順化の実践: イベント数日前から軽い運動で汗をかく習慣をつけ、暑さに体を慣らしておくことが推奨されています
  • 持ち物の準備: 帽子・タオル・携帯扇風機・日焼け止め・経口補水液やスポーツドリンクを持参しましょう
  • 水分補給のタイミング: 会場に着く前から少しずつ水分を摂り始め、イベント中はのどが渇く前にこまめに補給します
  • 休憩と日陰の確保: 定期的に涼しい場所で休憩を取り、体調の変化に気を配りましょう

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(参考文献)

Takeda A, Seino K, Shimonosono K, Tomio J. Risk of heat-related illnesses and preventive measures at mass gathering rock festivals in the summer of 2023 in Japan. Environ Health Prev Med. 2026;31:5.
Eifling KP, Gaudio FG, Dumke C, Lipman GS, Otten EM, Martin AD, Grissom CK. Wilderness Medical Society Clinical Practice Guidelines for the Prevention and Treatment of Heat Illness: 2024 Update. Wilderness Environ Med. 2024;35(1_suppl):112S-127S.
Sawka MN, Burke LM, Eichner ER, Maughan RJ, Montain SJ, Stachenfeld NS; American College of Sports Medicine. American College of Sports Medicine position stand. Exercise and fluid replacement. Med Sci Sports Exerc. 2007;39(2):377-90.
Almuzaini Y, Alburayh M, Alahmari A, Alamri F, Sabbagh AY, Alsalamah M, Khan A. Mitigation strategies for heat-related illness during mass gatherings: Hajj experience. Front Public Health. 2022;10:957576.
環境省. 夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン 2020. https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_gline.php

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