

監修者平塚市民病院 皮膚科
画面から浴びるブルーライトの量はごくわずかで、肌への実害は考えにくいと報告されています。太陽光に含まれる紫外線や可視光への対策の方が大切と考えられます。
食事や市販のケアで届かないと感じたときは、医師に相談して処方を受けるという選択肢もあります。
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ブルーライトは肌に悪い?可視光が肌に与える影響
ブルーライトは、波長がおよそ400〜500ナノメートルの光で、パソコンやスマートフォンの画面のほか、太陽光にも含まれます。複数の研究をまとめた報告では、活性酸素などの過剰な発生と色素沈着(シミやくすみのもと)、体内時計の乱れが影響として挙げられています[Skin Pharmacol Physiol. 2022;35(6):305-318.]。
肌の色が中間〜やや濃いタイプの女性33人の前腕に、青色のLED光(450ナノメートル)を日常では浴びないほど強い量で当てた研究では、24時間後に目に見える色素沈着が確認されました[Int J Cosmet Sci. 2020;42(4):399-406.]。
画面のブルーライトと太陽光では影響はどう違う?
スマートフォンやパソコンから出る光を機器で測定した研究では、日常の使用で肌が浴びる量はごくわずかで、肌に害を与える可能性は低いと報告されています[Clin Cosmet Investig Dermatol. 2025;18:169-176.]。ただし、これは光の量を測った研究で、人の肌で確かめたものではありません。
また、画面を近くで長時間使うことを想定した短期間の曝露では、肝斑(かんぱん=顔の色素沈着の一種)は悪化しなかったと短い報告で示されています[J Am Acad Dermatol. 2020;83(3):913-914.]。
ブルーライトは紫外線のようにシミやDNA損傷を起こす?
健康な人8人に可視ブルーライトを5日間連続で当てた小規模な研究では、DNAの傷や炎症はみられず、認められたのはわずかな色素沈着と、肌の細胞の一部の変化でした[Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2010;26(1):16-21.]。DNAの損傷や光老化は起こらないと報告されていますが、人数が少なく、比べるための対照グループも置かれていないため、確かめられた範囲は限られます。
採取したヒトの皮膚を培養して調べた研究でも、青や緑の可視光は、紫外線とは異なりDNAの傷や細胞死を増やすことなくメラニンの生成を促したと報告されています。しかも可視光は、調べたすべての肌質(フォトタイプ=生まれ持った肌の色のタイプ)でメラニンの生成を促し、紫外線では反応しなかった明るい肌でも起こりました[Exp Dermatol. 2021;30(9):1324-1331.]。色素沈着の仕組みは紫外線と異なる一方、肌の色が明るい人も無関係ではないと考えられます。
紫外線・可視光への備えとしてできること
対策としては、抗酸化成分を取り入れることや、酸化鉄などを含む色つき(ティント)の日焼け止めを使うことが挙げられています[Skin Pharmacol Physiol. 2022;35(6):305-318.]。3%のナイアシンアミドや微細藻類の抽出物を配合したスキンケアも、色素沈着や赤みの軽減に寄与しうるとされます[Int J Cosmet Sci. 2020;42(4):399-406.]。
ブルーライトや紫外線から肌を守るうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ここだけは伝えたいメッセージ
画面から出るブルーライトは、日常で浴びる量がごくわずかで、肌への実害は考えにくいと報告されています。過度に心配せず、まずは屋外での紫外線・可視光への備えを意識してみてください。肌の状態が気になる場合は、皮膚の専門家への相談をご検討ください。
まとめ:ブルーライトと上手に付き合うために
- ブルーライトの影響: 強い量をくり返し浴びると色素沈着が起こりうると報告されています
- 画面と太陽光の違い: 画面から浴びる量はごくわずかで、太陽光のほうが影響は大きいとされます
- 紫外線との違い: ブルーライトの色素沈着は、紫外線と異なりDNAの傷を伴わないのが特徴とされています
- 肌質による差: 紫外線では反応しない明るい肌でもメラニンの生成が促されたと報告されています
- セルフケア: 酸化鉄などを含む色つきの日焼け止めや抗酸化ケアが挙げられています
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(参考文献)
Suitthimeathegorn O, Yang C, Ma Y, Liu W. Direct and Indirect Effects of Blue Light Exposure on Skin: A Review of Published Literature. Skin Pharmacol Physiol. 2022;35(6):305-318.
Campiche R, Curpen SJ, Lutchmanen-Kolanthan V, Gougeon S, Cherel M, Laurent G, Gempeler M, Schuetz R. Pigmentation effects of blue light irradiation on skin and how to protect against them. Int J Cosmet Sci. 2020;42(4):399-406.
Kleinpenning MM, Smits T, Frunt MHA, van Erp PEJ, van de Kerkhof PCM, Gerritsen RMJP. Clinical and histological effects of blue light on normal skin. Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2010;26(1):16-21.
Moreiras H, O'Connor C, Bell M, Tobin DJ. Visible light and human skin pigmentation: The importance of skin phototype. Exp Dermatol. 2021;30(9):1324-1331.
Charoenpipatsin N, Yothachai P, Nuntawisuttiwong N, Wongpraparut O, Choosri P, Silpa-archa N. Dosimetry Assessment of Potential Hazard from Visible Light, Especially Blue Light, Emitted by Screen of Devices in Daily Use. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2025;18:169-176.
Duteil L, Queille-Roussel C, Lacour JP, Montaudié H, Passeron T. Short-term exposure to blue light emitted by electronic devices does not worsen melasma. J Am Acad Dermatol. 2020;83(3):913-914.
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