
夏の飲み会シーズンに気をつけたいアルコールと睡眠の関係や、飲酒時の食事での工夫を教えてください。
監修者医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
アルコールは寝つきをよくする一方で睡眠の質を低下させ、夏場は脱水も重なるため注意が必要です。
アルコールと睡眠の質の関係|お酒を飲むと眠りが浅くなる理由
夏は飲み会の機会が増える季節です。「お酒を飲むとよく眠れる」と感じる方もいますが、実際にはアルコールは睡眠の質を低下させることが知られています。アルコールは入眠を早める効果がある一方で、睡眠の後半でレム睡眠(浅い眠りで夢を見る段階)を減少させ、中途覚醒(夜中に目が覚めること)を増加させることが報告されています[Alcohol Clin Exp Res. 2013;37(4):539-49.]。つまり、寝つきはよくなっても、眠りの深さや持続時間が損なわれる可能性があります。
アルコールが睡眠のしくみを乱すメカニズム
アルコールは脳内の睡眠を調節するしくみ(睡眠恒常性=すいみんこうじょうせい)に影響を与えることが報告されています[Alcohol. 2015;49(4):299-310.]。最初は脳を抑制して眠気を誘いますが、睡眠の後半で眠りが浅くなります。さらに、アルコールには利尿作用(りにょうさよう=尿を増やす働き)があり、特にビールやワインなどは脱水を促進する可能性が報告されています[Nutrients. 2017;9(7):660.]。夏場は汗ですでに水分を失いやすい状態にあるため、飲酒による脱水が睡眠の質をさらに悪化させるおそれがあります。
夏の飲酒時に気をつけるポイント|睡眠と水分補給の工夫
飲酒と睡眠の質の低下を最小限にするための工夫がいくつかあります。就寝の2〜3時間前までに飲酒を終えることで、体内でのアルコール分解が進み、睡眠への影響を軽減できる可能性があります。また、お酒と同量以上の水を一緒に飲む「チェイサー」の習慣は、脱水の予防に有用です。食事面では、タンパク質を含むおつまみ(枝豆・豆腐・魚料理など)を一緒に摂ることで、アルコールの吸収が緩やかになると考えられています。
グリシンやGABAを含む機能性表示食品の活用
飲酒の機会が多い方は、日常的な睡眠の質を意識することも大切です。睡眠の質を目的とした機能性表示食品を補助的に活用する方法もあります。グリシン(体内にも存在するアミノ酸の一種)は、部分的な睡眠制限がある状況で日中のパフォーマンス改善に寄与する可能性が報告されています[Front Neurol. 2012;3:61.]。また、GABA(ガンマアミノ酪酸=体内にも存在するアミノ酸の一種)を含む食品は、ストレスや睡眠の質によい影響を与える可能性があります[Front Neurosci. 2020;14:923.]。ただし、効果が十分に確立しているものではなく、あくまで日常の睡眠習慣を整えるうえでの補助的な位置づけです。なお、効果には個人差があります。
夏の飲酒と睡眠を考えるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ここだけは伝えたいメッセージ
夏の飲み会は楽しいものですが、アルコールが睡眠の質に与える影響を知っておくことが大切です。就寝前の時間確保・十分な水分の摂取・タンパク質豊富なおつまみを心がけることで、飲み会のあとも質のよい睡眠を保ちやすくなります。また、連日の飲酒は避け、休肝日を設けるようにしましょう。睡眠が浅いと感じる場合には、一度お酒を断って、適度な運動を心がけましょう。
飲酒後に毎回睡眠の質が著しく低下すると感じる場合や、飲酒量のコントロールが難しいと感じる場合は、医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:アルコールと睡眠の関係と夏の飲酒の工夫

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(参考文献)
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