ペルテス病の場合、主にどのような治療をしますか?

装具を使って体重をかけないようにするほか、手術をすることもあります。

解説

ペルテス病では、大腿骨頭に生じた壊死(えし:生体内の細胞や組織が死んでしまうこと)の程度によっては、大腿骨頭がとても脆くなってしまい、潰れて変形が進むことがあります。一度変形してしまうと、自然に形がもとに戻ることはありません。
脚が短くなって歩き方が不安定になる場合や、大人になったときに若いうちに変形性股関節症(股関節の軟骨がすり減ってしまい痛みが強くなる病気)になる場合があります。このため、なるべく変形をつくらないことがペルテス病の治療の大事な点となります。
なお、治療には以下のような方法があります。

装具療法

年齢が若く、骨の壊死や変形の範囲が小さいほど装具療法が成功する可能性が高いと考えられています。
装具の目的は、股関節に体重がかからないようにすることと、股関節が開く姿勢を続けることで骨の形が球形を保ちやすくすることです。骨が修復され形が崩れにくくなるまでに長期間を要するため、装具の着用期間は1年から1年半ほどになります。

手術療法

装具療法では大腿骨頭の変形の予防が困難だと判断された場合、手術療法が提案されることがあります。
手術にはいくつかの種類があり、また、それらを組み合わせて行われる場合もあります。大きい金属で骨を固定するため、病気が落ち着いた後には、金属を抜去する手術が必要となる場合が多いです。どこの病院でも行っているような手術ではないため、大学病院やこども病院などの専門的施設で相談する必要があります。

病気の程度によっては、装具も手術も必要としない場合もあります。それでも、しばらくの間は経過観察のために通院が必要となります。

公開日

最終更新日

山田記念病院 整形外科 整形外科部長

濱畑 智弘 監修

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