ペルテス病で歩き方は変わる?ペルテス病
監修医師濱畑 智弘山田記念病院 整形外科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
ペルテス病とは
「ペルテス病」とはどのような病気ですか?
ペルテス病は、太ももの付け根にある大腿骨頭という部位に壊死を起こす病気です。長期間治療が必要となる場合があります。
ペルテス病は、太ももの骨(大腿骨)の付け根にある大腿骨頭に、部分的な壊死(えし:生体内の細胞や組織が死んでしまうこと)を起こしてしまう病気です。
原因ははっきりとは分かっていませんが、大腿骨頭への血液の流れが不十分になることで壊死が起こると考えられています。5~7歳の男の子に多く、特に活発で元気な子に起こりやすい病気です。
壊死を起こした骨の周りに、最初は炎症を起こします。このため、痛みや股関節の動かしにくさが生じます。その後は、壊死の程度によっては大腿骨頭がとても脆くなってしまい、潰れて変形が進むことがあります。
一度変形してしまうと、自然に形がもとに戻ることはありません。脚が短くなって歩き方が不安定になる場合や、大人になったときに、若いうちに変形性股関節症(股関節の軟骨がすり減ってしまい痛みが強くなる病気)になる場合があります。このため、なるべく変形をつくらないことが、ペルテス病の治療において大事な点となります。
ペルテス病が始まってから骨が変形しない位に修復が進むまでに、3~5年かかるとされるため、長い時間をかけて気を付けていく必要があります。一般的に治療法には、装具療法や手術療法がありますが、年齢や壊死の範囲によって変わります。経過観察といって、治療行為が必要にならない場合もあります。
参考文献
西脇徹ほか.“国立小児病院におけるペルテス病の保存加療の成績”.日本小児整形外科学会.http://www.jpoa.org/mag/vol15-2/305-308.pdf,(参照 2024-04-17).
日本整形外科学会.“ペルテス病”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_037.pdf,(参照 2024-04-17).
J Leroux et al. Legg-Calvé-Perthes disease. Orthop Traumatol Surg Res. 2018, 104, p.S107-S112.
ペルテス病の症状
ペルテス病には初期症状はありますか?
ペルテス病の初期症状として、股関節または膝まわりの軽い痛みや引きずるような歩き方、股関節を捻る際の痛みなどがあります。
初期症状には、走ったり跳んだりした際に感じる股関節のまわりの痛みがあります。
太ももの前や膝のまわりの痛みとして感じる場合も少なくないため、注意が必要です。
歩く位ではほとんど痛みを感じない場合もあります。この場合でも、よく見ると足をひきずっていたり、股関節を捻ったり、深く曲げると痛みが強くなることが多いです。
参考文献
西脇徹ほか.“国立小児病院におけるペルテス病の保存加療の成績”.日本小児整形外科学会.http://www.jpoa.org/mag/vol15-2/305-308.pdf,(参照 2024-04-17).
日本整形外科学会.“ペルテス病”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_037.pdf,(参照 2024-04-17).
J Leroux et al. Legg-Calvé-Perthes disease. Orthop Traumatol Surg Res. 2018, 104, p.S107-S112.
ペルテス病ではどのような症状がありますか?
ペルテス病では、歩くときや階段の昇り降りの際に、股関節や太ももの前、膝の周りに痛みを感じます。足を引きずる歩き方になる場合が多いです。
ペルテス病では、股関節の周りに異常が起こります。このため、症状として、歩いたり階段を昇り降りするなど、股関節に体重がかかるときに痛みが生じます。
痛みの場所は太もものつけ根とは限らず、太ももの前や膝を痛がることも少なくありません。また、腫れや青あざ、赤みなどの見た目の変化はほとんどありません。
歩いているときにあまり痛みがない場合でも、足を引きずる歩き方になることが多いです。股関節を捻るような動きをする際に痛みが強まる場合が多いため、股関節の動く範囲が狭くなります。長期間ペルテス病を患っていると、段々とお尻や太ももの筋肉が細くなってくるのがわかる場合があります。
参考文献
西脇徹ほか.“国立小児病院におけるペルテス病の保存加療の成績”.日本小児整形外科学会.http://www.jpoa.org/mag/vol15-2/305-308.pdf,(参照 2024-04-17).
日本整形外科学会.“ペルテス病”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_037.pdf,(参照 2024-04-17).
J Leroux et al. Legg-Calvé-Perthes disease. Orthop Traumatol Surg Res. 2018, 104, p.S107-S112.
ペルテス病の原因
ペルテス病の原因は何がありますか?
はっきりとした原因は不明ですが、大腿骨頭への血流が不十分になることで壊死が起こると考えられています。
ペルテス病の原因は、現時点ではまだ完全には解明されていません。
ペルテス病は、太ももの付け根にある大腿骨頭に壊死(えし:生体内の細胞や組織が死んでしまうこと)を起こしてしまう病気です。原因ははっきりとは分かっていませんが、大腿骨頭への血液の流れが不十分になることで壊死が起こると考えられています。
この病気のほとんどは成長過程にある子どもに起こります。5~7歳に特に多く、女の子より男の子に多いです。また、小柄で活発な子に多いとされます。このため、活動性が高く股関節に過剰に負荷がかかることがこの病気のひとつの原因ではないかと考えられています。
参考文献
西脇徹ほか.“国立小児病院におけるペルテス病の保存加療の成績”.日本小児整形外科学会.http://www.jpoa.org/mag/vol15-2/305-308.pdf,(参照 2024-04-17).
日本整形外科学会.“ペルテス病”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_037.pdf,(参照 2024-04-17).
J Leroux et al. Legg-Calvé-Perthes disease. Orthop Traumatol Surg Res. 2018, 104, p.S107-S112.
ペルテス病の検査・診断
ペルテス病のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
ペルテス病を疑うためのセルフチェックや、周囲の大人によるチェックは可能です。
この病気の原因ははっきりしていませんが、いくつかの特徴があります。
以下のチェック項目を参考にして、疑わしいようであれば整形外科を受診しましょう。
- 3~10歳の子どもである
- 歩いたり走るときに、太ももや膝のまわりを痛がる
- 足を引きずって歩いているように見える
- あぐらをかけない
- 男の子である
- 活発に運動する方である
- 小柄な方である
参考文献
西脇徹ほか.“国立小児病院におけるペルテス病の保存加療の成績”.日本小児整形外科学会.http://www.jpoa.org/mag/vol15-2/305-308.pdf,(参照 2024-04-17).
日本整形外科学会.“ペルテス病”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_037.pdf,(参照 2024-04-17).
J Leroux et al. Legg-Calvé-Perthes disease. Orthop Traumatol Surg Res. 2018, 104, p.S107-S112.
ペルテス病の治療・対処法
ペルテス病の場合、完治するまでどのくらいかかりますか?
個人差がありますが、完治と言えるまでは3~5年ほどの期間を要する場合が多いです。
ペルテス病の完治には通常3~5年の期間が必要ですが、個人差があります。
ペルテス病は大腿骨頭が部分的に壊死を起こします。壊死とは細胞が死んでしまうことであり、通常の骨折に比べて骨が修復するまでに長い時間を必要とします。壊死の根本的な原因も分かっていないため、薬などで早く治すことも今はできません。
骨の修復が完全に終わるまでの期間は個人差があります。年齢、骨の壊死の場所や範囲、装具療法か手術療法かなどによって異なりますが、3~5年ほどの期間が必要となる場合が多いです。
特に、装具療法の場合に重要となりますが、必ずしもこの期間中ずっと骨の変形が進みやすいわけではありません。通常は、病気を発症してから1年ほどが特に変形が進みやすく、重要な期間であると考えられています。
参考文献
西脇徹ほか.“国立小児病院におけるペルテス病の保存加療の成績”.日本小児整形外科学会.http://www.jpoa.org/mag/vol15-2/305-308.pdf,(参照 2024-04-17).
日本整形外科学会.“ペルテス病”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_037.pdf,(参照 2024-04-17).
J Leroux et al. Legg-Calvé-Perthes disease. Orthop Traumatol Surg Res. 2018, 104, p.S107-S112.
ペルテス病の場合、主にどのような治療をしますか?
装具を使って体重をかけないようにするほか、手術をすることもあります。
ペルテス病では、大腿骨頭に生じた壊死(えし:生体内の細胞や組織が死んでしまうこと)の程度によっては、大腿骨頭がとても脆くなってしまい、潰れて変形が進むことがあります。一度変形してしまうと、自然に形がもとに戻ることはありません。
脚が短くなって歩き方が不安定になる場合や、大人になったときに若いうちに変形性股関節症(股関節の軟骨がすり減ってしまい痛みが強くなる病気)になる場合があります。このため、なるべく変形をつくらないことがペルテス病の治療の大事な点となります。
なお、治療には以下のような方法があります。
装具療法
年齢が若く、骨の壊死や変形の範囲が小さいほど装具療法が成功する可能性が高いと考えられています。
装具の目的は、股関節に体重がかからないようにすることと、股関節が開く姿勢を続けることで骨の形が球形を保ちやすくすることです。骨が修復され形が崩れにくくなるまでに長期間を要するため、装具の着用期間は1年から1年半ほどになります。
手術療法
装具療法では大腿骨頭の変形の予防が困難だと判断された場合、手術療法が提案されることがあります。
手術にはいくつかの種類があり、また、それらを組み合わせて行われる場合もあります。大きい金属で骨を固定するため、病気が落ち着いた後には、金属を抜去する手術が必要となる場合が多いです。どこの病院でも行っているような手術ではないため、大学病院やこども病院などの専門的施設で相談する必要があります。
病気の程度によっては、装具も手術も必要としない場合もあります。それでも、しばらくの間は経過観察のために通院が必要となります。
参考文献
西脇徹ほか.“国立小児病院におけるペルテス病の保存加療の成績”.日本小児整形外科学会.http://www.jpoa.org/mag/vol15-2/305-308.pdf,(参照 2024-04-17).
日本整形外科学会.“ペルテス病”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_037.pdf,(参照 2024-04-17).
J Leroux et al. Legg-Calvé-Perthes disease. Orthop Traumatol Surg Res. 2018, 104, p.S107-S112.
受診の目安・何科を受診するべきか
ペルテス病が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
整形外科を受診しましょう。歩き方がおかしい場合や、軽い症状でも1週間以上続くような場合には、受診を検討しましょう。
ペルテス病が疑われる場合、整形外科を受診しましょう。股関節や膝、または腰の他の病気の可能性も考える必要があります。病院によっては整形外科の中でも、股関節外科や小児整形外科を専門としている医師の診察を受けるように言われる場合があります。
強い痛みで歩けない場合はもちろん、軽い痛みでも足を引きずっているようであれば、細かい検査が必要な可能性があります。走ったときだけ痛みを感じるような症状でも、1週間以上続く場合には受診を検討しましょう。
参考文献
西脇徹ほか.“国立小児病院におけるペルテス病の保存加療の成績”.日本小児整形外科学会.http://www.jpoa.org/mag/vol15-2/305-308.pdf,(参照 2024-04-17).
日本整形外科学会.“ペルテス病”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_037.pdf,(参照 2024-04-17).
J Leroux et al. Legg-Calvé-Perthes disease. Orthop Traumatol Surg Res. 2018, 104, p.S107-S112.
ペルテス病の専門医がいる近くの病院はありますか?
ペルテス病の専門医がいる病院を見るペルテス病に関連するその他の質問
ペルテス病の場合、歩き方は変わりますか?
この病気の代表的な症状のひとつに、足を引きずりながら歩くことがあります。
ペルテス病の場合、歩き方が変わることもあります。
ペルテス病の代表的な症状のひとつに、足を引きずって歩くことがあります。あまり痛みを伴わないような場合には、よく見ないと足を引きずっていることも分かりにくい場合があります。
一方で、一定期間が過ぎて骨の修復が進んだ後でも、大腿骨頭の重度の変形があると股関節のまわりに上手く力が伝わらなくなります。すると、体重をかけた際に、腰がぐらつくような歩き方になってしまう場合があります。
この予防のためには、なるべく骨の変形が起こらないよう早期から治療を始めることが重要です。
参考文献
西脇徹ほか.“国立小児病院におけるペルテス病の保存加療の成績”.日本小児整形外科学会.http://www.jpoa.org/mag/vol15-2/305-308.pdf,(参照 2024-04-17).
日本整形外科学会.“ペルテス病”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_037.pdf,(参照 2024-04-17).
J Leroux et al. Legg-Calvé-Perthes disease. Orthop Traumatol Surg Res. 2018, 104, p.S107-S112.
ペルテス病の場合、装具は必要ですか?
軽症のため、装具の必要が無い場合もあります。治療が必要な場合も、手術療法より装具療法が行われる場合が多いです。
ペルテス病の場合、装具は必ずしも必要とは限りません。
ペルテス病の治療方針は、年齢や大腿骨頭の壊死(えし:生体内の細胞や組織が死んでしまうこと)の場所や範囲を評価して決定されます。装具も手術も必要としない場合もあり、しばらくの間、経過観察のために通院します。
病院によって基準は異なりますが、未就学児の場合には装具療法を行う場合が多いです。これは、年齢が若いほど骨の変形が進みにくいことが分かっているためです。
装具の目的は、股関節に体重がかからないようにすること(免荷)と、股関節が開く姿勢(外転)を続けることで、骨の形が球形を保ちやすくすることです。
特に、病気の初期は股関節に体重がかからないようにすることが重要であり、免荷外転装具を必要とする期間は入院を要する場合が多いです。入院期間は状況によって異なりますが、1年以上の入院が必要な場合もあります。詳しくは、担当医の話を十分に聞きましょう。
この期間が終わると、股関節が開く姿勢をとりながら体重をかけて歩ける装具を使用します。この外転装具の使用が始まると、退院して通院治療に切り替えることができる場合が多いです。
参考文献
西脇徹ほか.“国立小児病院におけるペルテス病の保存加療の成績”.日本小児整形外科学会.http://www.jpoa.org/mag/vol15-2/305-308.pdf,(参照 2024-04-17).
日本整形外科学会.“ペルテス病”.日本整形外科学会.https://www.joa.or.jp/public/publication/pdf/joa_037.pdf,(参照 2024-04-17).
J Leroux et al. Legg-Calvé-Perthes disease. Orthop Traumatol Surg Res. 2018, 104, p.S107-S112.
ペルテス病について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「ペルテス病」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 股関節が痛みますか?
- 足の付け根を押すと痛みますか?
- 関節が痛みますか?
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この記事の監修医師
濱畑 智弘 先生
山田記念病院 整形外科
慈恵医大を卒業。 浅ノ川総合病院、厚生中央病院を経て2021年4月より浅草病院 整形外科に勤務。 整形外科一般および人工関節置換術を専門とする。 より広い視点で医療を捉えなおすことが出来るように2020年4月より立教大学ビジネスデザイン研究科に入学、2022年3月に卒業しMBA取得。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03