脂肪肉腫とはどのような腫瘍ですか?
皮下や筋肉などの軟部組織で、脂肪細胞に似た腫瘍が増殖する悪性腫瘍です。型によって予後が異なります。
肉腫とは、骨または軟部(筋肉・神経・血管・脂肪など)から生じる悪性腫瘍のことをいいます。胃や腸のような消化管などの臓器から生じるがんとは特徴が異なるため、区別されています。
特徴として、他のがんに比べると肉腫の発生頻度は低いです。日本における軟部肉腫の発生頻度は年間10万人当たり3人程度と非常に少ないため、他の種類のがんと比べて研究が遅れているがんのひとつです。
脂肪肉腫は、皮下組織や筋肉などの軟部組織に発生する肉腫です。脂肪細胞に似ている腫瘍細胞が増殖して腫瘍を形成します。脂肪肉腫のなかにはさまざまな種類がありますが、脂肪肉腫全体を合わせると軟部肉腫の約40%を占める最も頻度の高い病気です。
脂肪肉腫は5種類の型に分類されます。型によって予後は大きく異なります。ほとんどの場合で痛みなどの自覚症状が少なく、画像検査の結果偶然わかる場合も少なくありません。太ももに生じることが比較的多いとされます。
検査の結果、肉腫と分かった場合の治療法は腫瘍の切除が原則となります。完全な切除が困難であった場合や遠隔転移(がん細胞が最初に発生した場所と別の臓器や器官に移動して増えること)がある場合には、放射線療法や化学療法が行われることがあります。
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
(参考文献)
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