コロナの変異株KP.3は、検査キットでわかりますか?
コロナの変異株KP.3は、抗原検査キットで検査可能と考えられます。
まず、ウイルスの構造は、次のようになっています。
- 中心部に遺伝情報を含むDNAまたはRNAという核酸があります。
- カプシドというタンパク質の殻が核酸を包んでいます。1と2を合わせて「ヌクレオカプシド」と呼びます。
- さらにエンベロープと呼ばれる脂質の膜がカプシドを包んでいます。
- エンベロープの表面には、スパイクタンパク質という突起のような構造物があります。このスパイクが、ウイルスが人間や動物の細胞に侵入する仕掛けとなっています。
コロナの変異株の場合、エンベロープの表面にあるスパイクタンパク質が変異していますが、コロナの検査キット(SARS-CoV-2抗原検査キット)は、スパイクタンパク質ではなくヌクレオカプシドの成分を検出し、陽性または陰性と判定しているものが多いため、変異株であっても、これまで通り検査キットは有用であると考えられます。
ただし、厳密には新しい変異株に対して、現在流通している検査キットの精度(感染の有無を判断する正確さ)を新たに調査した報告はなく、これまでの流行株と同程度の精度を保てているという保証はありません。
コロナの検査に限りませんが、検査結果には、偽陽性(本当は感染していないのに検査結果が陽性)や偽陰性(本当は感染しているのに検査結果が陰性)というパターンがあり、結果の解釈には医師の総合的な判断が必要となる場合があります。
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最終更新日:
東日本橋内科クリニック 一般内科
平松 由布季 監修
(参考文献)
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