クレアチニンは変動しやすいですか?
大きく変動することはないとされています。
クレアチニンは体内の筋肉量にほぼ比例するため、測定日が近いにもかからわず値が全く異なるなど、大きな変動はないとされています。
ただし、以下の要因により、短期的あるいは長期的な変動が生じる可能性があります。
短期的な変動要因
- 食事:特に肉類の過剰摂取
- 運動:激しい運動や筋肉トレーニング後
- 水分摂取量:深刻な脱水状態
- 日内変動:朝と夕方で若干の差が生じる可能性
長期的な変動要因
- 年齢:加齢に伴う筋肉量の変化
- トレーニングや病気:トレーニングや病気による筋肉量の変化
- 慢性疾患の進行:腎機能の低下など
クレアチニンが高くなる腎機能以外の要因としては、横紋筋融解症(けがなどで筋肉が分解される病気)や怪我、過剰な運動、肉類の過剰摂取、クレアチニンの排せつを阻害することが知られている一部の薬剤の服用が知られています。逆に、筋肉量が少ない女性や高齢者、四肢切断者や筋萎縮の患者さんではクレアチニンは通常低値となります。
クレアチニン値は腎臓の機能をあらわす有用な指標です。高値を示した場合には腎機能の悪化が疑われ、正常値を少し超えた程度の異常値の場合、自覚症状はほとんどないものの腎機能が大きく低下していることもあります。
重要な注意点
- 一回の測定値だけでなく、経時的な変化を見ることが重要
- 急激な変動がある場合は、迅速な医療評価が必要
- クレアチニン値の解釈には、個人の体格や筋肉量、年齢、性別などを考慮する必要がある
- クレアチニン値だけでなく、eGFR(推算糸球体濾過量)など他の指標も併せて評価することが重要
異常が認められた場合には、医療機関を受診をご検討ください。特に、継続的に高値を示す場合や、急激な上昇が見られる場合は、速やかに専門家に相談することが重要です。
公開日:
最終更新日:
富士在宅診療所 一般内科
本間 雄貴 監修
(参考文献)
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