KRAS(ケーラス)G12C変異とはなんですか?
KRAS G12C変異は、KRAS遺伝子の12番目のアミノ酸がグリシンからシステインに置換された特定の変異で、特に非小細胞肺がんで多く見られ、近年開発された標的治療薬の対象となる重要な分子マーカーです。
KRAS G12C変異は、KRAS遺伝子の特定の部位で起こる変異の一種です。
この変異では、KRAS遺伝子の12番目のアミノ酸であるグリシン(G)がシステイン(C)に置き換わります。そのため、"G12C"と呼ばれます。
KRAS G12C変異は、特に非小細胞肺がんや大腸がんなどで見られます。この変異により、KRASタンパク質が常に活性化状態となり、細胞の無秩序な増殖を引き起こします。
近年、この特定の変異を標的とする薬剤が開発され、KRAS G12C変異陽性のがんに対する新たな治療法として注目されています。
KRAS G12C変異の検出は、がんの診断や治療方針の決定、また新薬の適応を判断する上で重要な役割を果たしています。
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最終更新日:
東京医科歯科大学病院 がんゲノム診療科 特任助教
石橋 直弥 監修
RAS(ラス)遺伝子にはどのような種類があり、がん医療でどのように位置づけられていますか?
RAS遺伝子(KRAS、NRAS、HRAS)は細胞増殖を制御する重要な遺伝子で、その変異はがんの発生や進行に関与し、診断や治療方針の決定に重要な役割を果たしています。
RAS(ラス)遺伝子は、大腸がん(結腸・直腸がん)とどのように関係しますか?
KRAS(ケーラス)遺伝子は大腸がんの約40%で変異が見られ、がんの発生と進行に関与するとともに、治療法の選択や予後予測に重要な役割を果たし、個別化医療の鍵となっています。
KRAS(ケーラス)G12C変異は、肺がんと関係ありますか?
KRAS G12C変異は非小細胞肺がんの約4%で見られ、がんの進行に関与するとともに、近年開発された特異的治療薬の対象となるため、肺がん診療における重要な分子マーカーとなっています。
(参考文献)
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