RAS(ラス)遺伝子にはどのような種類があり、がん医療でどのように位置づけられていますか?
RAS遺伝子(KRAS、NRAS、HRAS)は細胞増殖を制御する重要な遺伝子で、その変異はがんの発生や進行に関与し、診断や治療方針の決定に重要な役割を果たしています。
RAS遺伝子には主に3つの種類があります。
- KRAS(ケーラス)
- NRAS(エヌラス)
- HRAS(エイチラス)
これらは細胞の成長や分裂を制御する重要な遺伝子です。
RAS遺伝子は、がん医療において非常に重要な位置を占めています。特にKRAS遺伝子の変異は、膵臓がん、大腸がん、肺がんなど多くのがん種で高頻度に見られます。これらの変異は、細胞の異常な増殖を引き起こし、がんの発生や進行に関与します。
RAS遺伝子の状態を調べることで、がんの診断や治療方針の決定に役立ちます。例えば、KRAS遺伝子に変異がある大腸がんでは、特定の分子標的薬が効きにくいことがわかっています。そのため、治療法の選択において重要な指標となります。
近年、RAS遺伝子を標的とした新しい治療法の開発が進んでおり、がん治療の個別化や効果の向上が期待されています。
公開日:
最終更新日:
東京医科歯科大学病院 がんゲノム診療科 特任助教
石橋 直弥 監修
(参考文献)
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RAS遺伝子(KRAS、NRAS、HRAS)
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