カペシタビン(ゼローダⓇ)の作用機序を教えてください。
このお薬は、体内で3段階の酵素反応を経て、抗がん作用を持つ5-FUに変換され効果を発揮します。
カペシタビン(ゼローダⓇ)は、服用したあとに体内で変化して初めて抗がん作用を示す「プロドラッグ」と呼ばれるタイプの薬です。その作用の仕組みは以下の通りです。
1. 吸収と第1段階の変換
カペシタビン(ゼローダⓇ)の有効成分は、消化管から吸収されたあと、主に肝臓にある「カルボキシルエステラーゼ」という酵素によって、「5'-DFCR」という物質に変わります。
2. 第2段階の変換
次に、「5'-DFCR」は、主に肝臓や腫瘍組織にある「シチジンデアミナーゼ」という酵素の働きで、「5'-DFUR」に変換されます。
3. 最終段階の変換と抗がん作用
最後に、「5'-DFUR」は、正常な細胞よりもがん細胞に多く存在する「チミジンホスホリラーゼ」という酵素によって、抗がん作用を持つ「フルオロウラシル(5-FU)」に変換されます。
このように、がん細胞に多く存在する酵素を利用して最終的に活性化されるため、がん細胞内で選択的に高濃度の5-FUが作られ、がん細胞の増殖を効率よく抑えることができると考えられています。5-FUは、がん細胞のDNA合成を妨げたり、RNAの機能を障害したりすることで、抗がん効果を発揮すると考えられています。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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