ビダラビン（アラセナ−AⓇ）には、どのような効果がありますか？

ビダラビン（アラセナ−AⓇ）には、単純ヘルペスウイルス（口の周りや陰部にできるヘルペスの原因となるウイルス）や、水痘・帯状疱疹ウイルス（水ぼうそうや帯状疱疹の原因となるウイルス）などのDNAポリメラーゼ（ウイルスのDNA合成に必要な酵素）の働きを阻害することにより、ウイルスの増殖を防ぐ効果があります。

なお、本剤には、軟膏、クリーム、点滴静注用の3つの剤型があり、それぞれ使える病状が異なります。

例えば、軟膏やクリームといった外用剤は、単純疱疹や帯状疱疹による軽症の皮膚症状（水ぶくれ、痛み、かゆみなど）に用いられますが、発熱などの全身の症状がみられたり、症状が悪化している場合は他の治療を考慮する必要があります。

一方、点滴製剤は、単純ヘルペス脳炎による死亡や寝たきりの発生頻度を減らす効果や、抵抗力が弱まっている患者さんの帯状疱疹を改善する効果が期待できることから、重症の患者さんやがん患者さんなどに用いられます。