

監修者東北大学病院 眼科
夜のブルーライトは睡眠に影響することがあります。こまめな休憩や光の量の調整で、目や睡眠の負担を和らげられる可能性があります。
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夜のブルーライトと睡眠の関係
睡眠と目覚めのリズムや体内時計は光の影響を受け、なかでも波長の短い光(ブルーライト=青色光)の影響が大きいとされています。スマートフォンやパソコンなどの画面はこうした光を出しており、夜にこれらの機器を使うと睡眠が乱れることがあるとされています[Sleep Adv. 2020;1(1):zpaa002.]。夜にブルーライトを多く浴びることは、睡眠や体内時計のリズムに影響しうると考えられます。
就寝前にブルーライトを減らすと睡眠は変わる?
就寝前にオレンジ色などの色付きレンズの眼鏡で青色光をさえぎると、睡眠の改善につながる可能性が報告されています。ただし、これを示す研究の結果にはばらつきがあり、エビデンスはまだ限定的です。複数の研究を体系的にまとめた報告では、健康な人よりも、睡眠に悩みのある人や心の不調がある人で、より効果が観察されたとされています[Sleep Adv. 2020;1(1):zpaa002.]。この知見は、就寝前のブルーライトを減らす工夫が、誰にでも同じように効くとは限らないことを示すものと考えられます。
ブルーライトカット眼鏡に睡眠をよくする効果はある?
ブルーライトカット眼鏡への期待は高いものの、睡眠をよくする効果はまだはっきりしていません。多数の研究を体系的にまとめた報告では、ブルーライトカット眼鏡のレンズは短い期間の観察で目の疲れ(眼精疲労)の症状を減らす効果を示さず、睡眠の質への効果も結論が出ておらず、目の奥にある黄斑を守る効果を調べた研究は見当たらなかったとされています[Cochrane Database Syst Rev. 2023;8(8):CD013244.]。この結果は、ブルーライトカット眼鏡に過度な期待をせず、ほかのセルフケアと組み合わせて考えることの大切さを示すものと考えられます。
目の疲れ(眼精疲労・ドライアイ)を和らげるセルフケア
画面を長時間見続けると、目の疲れ(眼精疲労)や目の乾き(ドライアイ)が起こりやすくなります。こうした目の負担には、こまめに休憩を取って遠くを見る「20-20-20ルール」(20分ごとに、20フィート=約6メートル先を、20秒間見る)が役立つ可能性があります。症状のある29人が2週間試した研究(比較する群なし)では、目の疲れや目の乾きの症状が和らぎましたが、その効果は一時的で、休憩をやめると続かなかったことも報告されています[Cont Lens Anterior Eye. 2023;46(2):101744.]。この知見は、目のセルフケアは一度きりではなく、日常的に続けることが大切であることを示すものと考えられます。
ブルーライトと上手に付き合ううえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ここだけは伝えたいメッセージ
ブルーライトは日常生活で完全に避けることは難しいものですが、夜の光の量を減らしたり、こまめに休憩を取ったりといった小さな工夫を積み重ねることで、目や睡眠への負担を和らげられる可能性があります。まずは続けやすいセルフケアから取り入れてみましょう。
一方で、目の痛みや見えづらさが続く場合や、眠れない状態が長く続く場合は、セルフケアだけで抱え込まず、医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:ブルーライトとの上手な付き合い方
- 夜のブルーライトと睡眠: 夜に画面から出るブルーライトを浴びると、睡眠が乱れることがあるとされています
- 就寝前の工夫: 就寝前にブルーライトを減らす工夫は睡眠改善につながる可能性がありますが、エビデンスは限定的で、効果には個人差があります
- ブルーライトカット眼鏡: 睡眠をよくする効果や目を守る効果は、現時点の研究でははっきりしていません
- 目の疲れ対策: 20分ごとに遠くを見る休憩(20-20-20ルール)は、目の疲れや乾きを和らげるのに役立つ可能性がありますが、続けることが大切です
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(参考文献)
Shechter A, Quispe KA, Mizhquiri Barbecho JS, et al. Interventions to reduce short-wavelength ("blue") light exposure at night and their effects on sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Adv. 2020;1(1):zpaa002.
Singh S, Keller PR, Busija L, et al. Blue-light filtering spectacle lenses for visual performance, sleep, and macular health in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2023;8(8):CD013244.
Talens-Estarelles C, Cerviño A, García-Lázaro S, et al. The effects of breaks on digital eye strain, dry eye and binocular vision: Testing the 20-20-20 rule. Cont Lens Anterior Eye. 2023;46(2):101744.







