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SNSを見ていると疲れてしまいます。ほどよい距離の取り方を教えてください。
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SNSを見ていると疲れてしまいます。ほどよい距離の取り方を教えてください。

日下 慶子監修者

精神科・心療内科

日下 慶子

見る時間を減らすことがひとつの方法です。効果は小さめですが、気分の落ち込みが少し軽くなったという短期の研究があります。

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人と比べることとSNSでの気分の落ち込みの関連

Facebookなどの利用者の研究を統合した分析があります。利用が多いほど抑うつ傾向が高いという正の相関が見られました。特に、利用時間や頻度よりも、自分より幸せそうな人との比較で関連が大きかったとされます[J Affect Disord. 2019;248:65-72.]。

ただし、あくまで観察研究をまとめた結果で、比べることが原因とまでは言えません。落ち込んでいる人ほど比べやすい、という逆向きの可能性もあります。比べることを調べた研究は、比較全般と、自分より上に見える人との比較で、それぞれ5本と少なく、結果のばらつきも大きいとされます。測っていたのも「疲れ」ではなく気分の落ち込みです。

SNSの使い方やつながる相手と気分との関連

SNSの利用はうつや不安に対して、ポジティブな影響とネガティブな影響の両方があるとされています。多数の研究を体系的にまとめた報告では、SNS上の前向きなやりとりや支え合いは、気分の落ち込みや不安の少なさと関連していました。反対に、ネガティブなやりとりや人との比較は、落ち込みや不安の多さと関連していました。利用の頻度は、関連が見られない研究も多く、結果はまちまちでした[JMIR Ment Health. 2016;3(4):e50.]。主に観察研究のまとめですので、因果関係は確かめられていません。

SNSの時間を減らすと気分はどう変わる?

厳格な基準を満たした研究を統合した分析があります。SNSの利用を減らしたりやめたりした人は、いつもどおり使った人と比べて気分の落ち込みが少し軽くなりました。時間を減らすだけの試験でも効果が見られました。完全にやめる試験は3本と少なく、はっきりした差は出ておらず、減らす方法との差もはっきりしませんでした。効果は小さく、試験は3週間以内で、参加者は若い女性が中心でした[Eur J Investig Health Psychol Educ. 2025;15(11):222.]。

やめる・時間を制限する・心理療法を使う方法をまとめた別の分析もあります。使い続けた人と比べて心の健やかさに小さな改善が見られ、方法による差ははっきりしませんでした。対象は若い成人が中心です[Behav Sci (Basel). 2025;15(3):290.]。一方、一時的にSNSを断つ研究をまとめた分析では、気分や生活の満足度に、はっきりした効果は確認できませんでした[Sci Rep. 2025;15(1):7581.]。

SNSとほどよい距離を取るための考え方

ここまでの研究では、「やめる」と「減らす」のどちらがよいかは、はっきりしていません。時間を減らす効果は小さく、どのくらい減らせばよいかも確かめられていません。落ち込みやすいアカウントを非表示にする、通知を切るといった工夫の効果を確かめた研究は、確認できた範囲では見当たりませんでした。

SNSとほどよい距離を取るうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

SNSとほどよい距離を取るうえで日常生活の工夫として検討したい2つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「見る時間を減らしてみる」で、やめるかどうかにこだわらず、1日に見る時間を減らしてみることです。理由は、短期の試験で、いつもどおり使った人より気分の落ち込みが少し軽くなったためです(効果は小さいとされています)。 2つ目は「比べてしまう相手との関わりを見直す」で、比べて落ち込みやすいときは、見る相手を見直してみることです。理由は、観察研究で、比較は落ち込みの多さと、支え合いは少なさと関連していたためです(効果は確かめられていません)。

ここだけは伝えたいメッセージ

SNSをすっかりやめなくても、見る時間を減らすことで、小さな効果ながら気分の落ち込みが少し軽くなったという報告があります。できそうなことから試してみましょう。気分の落ち込みが続き、日常生活に支障が出ている場合は、心療内科や精神科の受診をご検討ください。

まとめ:SNSとの距離の取り方

  • 人との比較: 気分の落ち込みとの関連が利用時間より強いという報告がある(観察研究で研究数も少なく、原因とは言えない)
  • 時間を減らす: 若い女性中心の短期の試験で、落ち込みが少し軽くなった。効果は小さく、長期の効果は不明
  • やめるか減らすか: どちらがよいかははっきりせず、一時的に断っても、はっきりした効果は確認できなかった分析もある
  • 見る相手を選ぶ・通知を切る: 確認できた範囲では、効果を確かめた研究は見当たらなかった

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(参考文献)

Yoon S, Kleinman M, Mertz J, Brannick M. Is social network site usage related to depression? A meta-analysis of Facebook-depression relations. J Affect Disord. 2019;248:65-72.
Seabrook EM, Kern ML, Rickard NS. Social Networking Sites, Depression, and Anxiety: A Systematic Review. JMIR Ment Health. 2016;3(4):e50.
Verduyn P, Lee DS, Park J, Shablack H, Orvell A, Bayer J, Ybarra O, Jonides J, Kross E. Passive Facebook usage undermines affective well-being: Experimental and longitudinal evidence. J Exp Psychol Gen. 2015;144(2):480-488.
Valkenburg PM. Social media use and well-being: What we know and what we need to know. Curr Opin Psychol. 2022;45:101294.
May W, Malouff JM, Meynadier J. Reducing Social Media Use Decreases Depression Symptoms: A Meta-Analysis of Randomised Controlled Trials. Eur J Investig Health Psychol Educ. 2025;15(11):222.
Liu Y, Mohamad EMW, Azlan AA, Tan Y. Am I Happier Without You? Social Media Detox and Well-Being: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Behav Sci (Basel). 2025;15(3):290.
Lemahieu L, Vander Zwalmen Y, Mennes M, Koster EHW, Vanden Abeele MMP, Poels K. The effects of social media abstinence on affective well-being and life satisfaction: a systematic review and meta-analysis. Sci Rep. 2025;15(1):7581.

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