
監修者精神科・心療内科
睡眠時間の確保や体を動かすこと、日中に光を浴びることから試してみましょう。やる気そのものへの効果は、まだはっきりしていません。
かんたんアンケート
1 / 3
記事づくりの参考にします。
体の悩みが気になったとき、まずどうしますか?
ご回答は、サイト利用状況の分析に使う識別子(氏名・連絡先を含まないもの)とあわせて記録し、コンテンツ改善に利用します。広告主に提供するのは集計した割合などの統計値のみで、個々のご回答は提供しません。
睡眠不足とやる気の関係
睡眠が足りないことが感情にどう影響するかを調べるために、睡眠時間を制限する実験を中心に多くの研究を統合した分析では、睡眠が制限されると十分に眠った条件と比べてポジティブな気分が下がるという結果でした[Sleep. 2021;44(6):zsaa289.]。ネガティブ気分も、ある程度強まっていました[同上]。ただし研究ごとの結果のばらつきが大きく、効果が出た研究ほど発表されやすい偏り(出版バイアス)がある可能性も示されています[同上]。
また、これは短い期間だけ睡眠を制限した実験の結果で、測ったのはやる気ではなく気分・感情です。やる気が出ない日が続く原因が睡眠不足なのか、よく眠ればやる気が戻るのかまではわかっていません。
国の睡眠ガイドでは、成人はおおよそ6〜8時間が適正とされ、個人差はあるものの、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することがすすめられています[厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド2023.]。6時間は最低限の目安で、日中の眠気も手がかりに、自分に合った長さを探すことが大切とされています[同上]。なお高齢者には、寝床で過ごす時間が長いと健康リスクが高くなるため、寝床で過ごすのは8時間以上にしないという別の目安があります[同上]。
体を動かすことと前向きな気分の関係
健康な人を対象にした研究を統合した分析では、体を動かすこととウェルビーイングのあいだに、小さなプラスの関係が見られました[Health Psychol Rev. 2021;15(4):574-592.]。ただ、「運動するから幸福になる」のか、それとも「幸福感が高く活動的な性格だから運動する」のか、厳密な因果関係を断定することは困難です。
中でも関係が目立ったのはポジティブな感情で、もとの体力や運動プログラムの中身の違いにかかわらず、関係が見られました[同上]。一方、ネガティブな感情とは関係が見られず、運動で落ち込みが消えるとまでは言えません[同上]。
日中の光と眠気の感じ方の関係
健康な人を対象にした研究を統合した分析では、光を浴びると眠気を感じにくくなり、頭がすっきりしたと感じやすくなりました[Neural Regen Res. 2022;17(9):1929-1936.]。昼間に浴びた場合も本人が感じる眠気は減りましたが、反応の速さなどを測る課題では差が確認されませんでした[同上]。また、暖色の光と比べて青白い光(色温度の高い光)のほうが効果は大きい一方、明るさの違いで比べると差は見られませんでした[同上]。
ただし、これは人工の照明を使った研究です。対象は主に20代で、ランダム化比較試験の基準を満たす研究は含まれず、効果の大きさも小さめでした[同上]。日光で同じことが起こるか、やる気そのものが上がるかまでは確かめられていません。
果物・野菜を食べることと活力の関係
普段、果物や野菜をあまり食べない18〜25歳の171人を対象に、2週間のランダム化比較試験が行われました。生の果物・野菜を毎日配って食べてもらったグループでは、いつもの食事を続けたグループと比べて、活力や心の充実感(好奇心・意欲などを含む)が高まりました[PLoS One. 2017;12(2):e0171206.]。一方、声かけとクーポンで促したグループでは、食べる量が同じくらい増えても改善は見られませんでした[同上]。気分の落ち込みや不安、日々の気分は、どのグループでも変わりませんでした[同上]。
若い人を対象にした、2週間だけの小規模な試験ひとつの結果なので、ほかの工夫に加える程度に考えるのがよさそうです。
やる気を整えるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ここだけは伝えたいメッセージ
やる気が出ない日は、睡眠や運動、光の浴び方など、生活の中でできることから少しずつ試してみましょう。一方で、何をしても楽しめない、日常生活に支障が出るといった状態が長く続くときは、医療機関の受診をご検討ください。
まとめ:生活リズムからやる気を整える
- 睡眠: 成人は6時間以上が最低限の目安(個人差あり)。睡眠を削った実験ではポジティブな気分が下がったと報告されている
- 運動: 体を動かすことと前向きな気分には小さなプラスの関係があるが、原因とまでは言えない
- 光: 人工の照明で眠気を感じにくくなった報告はあるが、日光ややる気そのものへの効果は確かめられていない
- 食事: 配られた果物・野菜を食べた若い人で、いつもの食事の人より活力などが高まった報告はあるが、小規模な試験ひとつの結果
- 相談: 何をしても楽しめない状態が長く続くときは、医療機関の受診をご検討ください
睡眠習慣チェック

睡眠習慣が気になっている方へ
あなたの毎日の睡眠習慣
本当に睡眠が"整っている"と言えますか?
就寝前の過ごし方、起床のリズム、休日の寝だめ…
睡眠に関わる生活習慣は、自分では気づきにくいものです。
11問で、あなたの睡眠習慣がどのくらい整っているかを振り返ってみましょう。
(所要時間 約1分)
編集・監修基準について
本記事は情報の正確性を担保するため、以下のフローを経て作成・公開されています。
コンテンツ制作・運営ポリシーについて
ユビーウェルネスをGoogleの優先ソースに登録
Googleの「優先ソース」に登録すると、Google検索やAIによる回答(AI Overviews / AI モード)で、ユビーウェルネスの記事が優先的に表示されるようになります。

(参考文献)
Tomaso CC, Johnson AB, Nelson TD. The effect of sleep deprivation and restriction on mood, emotion, and emotion regulation: three meta-analyses in one. Sleep. 2021;44(6):zsaa289.
厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会. 健康づくりのための睡眠ガイド2023. 令和6年2月. https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf.(参照 2026-10-23).
Buecker S, Simacek T, Ingwersen B, Terwiel S, Simonsmeier BA. Physical activity and subjective well-being in healthy individuals: a meta-analytic review. Health Psychol Rev. 2021;15(4):574-592.
Mu YM, Huang XD, Zhu S, Hu ZF, So KF, Ren CR, Tao Q. Alerting effects of light in healthy individuals: a systematic review and meta-analysis. Neural Regen Res. 2022;17(9):1929-1936.
Conner TS, Brookie KL, Carr AC, Mainvil LA, Vissers MC. Let them eat fruit! The effect of fruit and vegetable consumption on psychological well-being in young adults: A randomized controlled trial. PLoS One. 2017;12(2):e0171206.







