

監修者平塚市民病院 皮膚科
夏の肌荒れは汗・紫外線・冷房による乾燥が主な原因であり、それぞれに合わせたセルフケアで予防・軽減が期待できます。
食事や市販のケアで届かないと感じたときは、医師に相談して処方を受けるという選択肢もあります。
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夏の肌荒れの主な原因|汗・紫外線・冷房乾燥の3大要因
夏は汗・紫外線・冷房による乾燥の3つが重なることで、肌荒れが起こりやすくなります。汗には天然の保湿成分が含まれており、皮膚の水分を保つはたらきがあります[Curr Probl Dermatol. 2016;51:30-41.]。しかし、汗が肌に長時間とどまると刺激になることもあります。紫外線は肌の老化を進める要因のひとつであり、冷房の効いた室内は湿度が下がって肌の水分が奪われやすくなります。これら3つの要因はそれぞれ対策が異なるため、原因に応じたケアが大切です。
汗が肌に与える影響|放置が肌トラブルにつながる理由
汗は体温調節に欠かせないだけでなく、皮膚の水分を保つ天然の保湿剤としてのはたらきも持っています。汗腺は皮膚の水分維持と体温調節の二重の機能を担う精巧なしくみであることが示されています[Curr Probl Dermatol. 2016;51:30-41.]。一方で、汗が皮膚の表面に長くとどまると、塩分や老廃物が刺激となり、あせもやかゆみなどの肌トラブルにつながることがあります。夏場は汗をかいたらこまめに拭き取るか、シャワーで洗い流すことが肌荒れ予防のポイントです。
紫外線対策と日焼け止めの効果|肌の老化を防ぐ習慣
紫外線は肌にダメージを与え、シミやしわなどの肌老化を進める要因のひとつです。55歳未満の成人を対象にした研究では、日焼け止めを毎日塗ったグループは塗らなかったグループに比べて肌の老化が24%少なかったと報告されています[Ann Intern Med. 2013;158(11):781-90.]。この結果は、日常的に日焼け止めを使う習慣が肌の健康維持に役立つ可能性を示しています。外出時だけでなく、室内でも窓から紫外線が入ることがあるため、日焼け止めをこまめに塗り直すことが推奨されます。
冷房乾燥が肌のバリア機能を低下させるしくみ
冷房の効いた部屋は湿度が低くなりやすく、肌の水分が蒸発しやすい環境です。低湿度の環境に3〜6時間いると、肌の角層(かくそう=肌の一番外側の層)の水分量が下がり、皮膚の表面が荒れやすくなることが報告されています[Skin Res Technol. 2002;8(4):212-218.]。また、低い室内湿度は肌の乾燥症状や肌荒れの増加と関連していることも示されています[J Eur Acad Dermatol Venereol. 2016;30(8):1285-94.]。これらの知見は、冷房環境下でも肌の保湿を意識することの重要性を裏付けています。オフィスや自宅で長時間冷房を使う場合は、加湿器の併用やこまめな保湿が肌荒れ予防に役立つと考えられます。
保湿ケアで肌のバリア機能を整える方法
肌のバリア機能を維持するうえで、保湿ケアは基本的な対策のひとつです。アトピー性皮膚炎の患者さんを対象とした研究では、セラミドの前駆体(もとになる成分)を含む保湿剤を約4週間使用したところ、肌から水分が逃げる量が減り、肌の水分量が増加したと報告されています[J Dermatolog Treat. 2013;24(2):122-125.]。この結果は、セラミド配合の保湿剤が肌のバリア機能を整える助けになる可能性を示しています。夏は汗でうるおっているように感じやすいものの、冷房環境では肌の内側が乾燥していることがあるため、洗顔後や入浴後の保湿ケアを欠かさないことが大切です。
夏の肌荒れ対策で日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、汗のケア・紫外線対策・保湿を日常的に組み合わせて行うことと考えられています。
ここだけは伝えたいメッセージ
夏の肌荒れは、汗・紫外線・冷房乾燥という3つの要因が重なって起こりやすくなります。それぞれに対応したセルフケアを毎日の習慣に取り入れることで、肌の調子を整えやすくなると考えられています。
肌荒れが長引く場合やかゆみ・赤みがひどい場合は、医療機関への受診をご検討ください。アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎などの皮膚疾患が隠れている可能性もあります。
まとめ:夏の肌荒れを防ぐセルフケアのポイント
- 汗のケア: 汗をかいたらこまめに拭き取るかシャワーで洗い流し、肌への刺激を減らすことが大切
- 紫外線対策: 日焼け止めを毎日塗り、こまめに塗り直すことで肌老化の抑制が期待できる
- 冷房乾燥への備え: 低湿度の環境では肌の水分量が低下しやすいため、加湿器の併用やこまめな保湿が有効と考えられる
- 保湿剤の選び方: セラミド配合の保湿剤は肌のバリア機能を整える助けになる可能性がある
- 受診の検討: 肌荒れが長引く場合やかゆみ・赤みがひどい場合は、医療機関への受診をご検討ください
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(参考文献)
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Goad N, Gawkrodger DJ. Ambient humidity and the skin: the impact of air humidity in healthy and diseased states. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2016;30(8):1285-94.
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