

監修者平塚市民病院 皮膚科
SPFは肌を赤くするUVBの、PAは肌を黒くするUVAの防御力を示す指標です。日焼け止め選びでは両方の確認が大切です。
食事や市販のケアで届かないと感じたときは、医師に相談して処方を受けるという選択肢もあります。
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SPFとは|肌を赤くするUVBへの防御力を示す数値
SPFとは「Sun Protection Factor」の略で、主に肌を赤くする紫外線であるUVB(紫外線B波)をどれだけ防げるかを示す数値です。具体的には、日焼け止めを塗った肌が赤くなるまでに必要な紫外線の量を、塗っていない肌と比較した比率で表しています[J Clin Aesthet Dermatol. 2013;6(1):16-26.]。
たとえばSPF30であれば、塗っていない状態に比べて30倍の紫外線量を浴びるまで、肌が赤くなりにくいことを意味します。ただし、SPFはUVBの防御力を反映する指標であり、肌を黒くしたり老化に関わるUVA(紫外線A波)の防御力は十分に評価できないとされています[Am J Clin Dermatol. 2001;2(3):131-4.]。そのため、SPFの数値だけで日焼け止めを選ぶのではなく、後述するPA値もあわせて確認することが大切です。
PAとは|肌を黒くするUVAへの防御力を示す分類
PAとは「Protection Grade of UVA」の略で、UVA(紫外線A波)をどれだけ防げるかを示す分類です。PA値は、紫外線を浴びたあとに生じる肌の色素沈着の度合い(PPD=持続型即時黒化)を指標にして測定されます。この測定法は、UVA防御効果を評価するための信頼できる方法であることが確認されています[Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2000;16(6):245-9.]。
PAはPA+、PA++、PA+++のように+の数で表され、+が多いほどUVA防御力が高いことを示します[J Clin Aesthet Dermatol. 2013;6(1):16-26.]。UVAは肌を黒くするだけでなく、光による免疫への影響や発がんにも関わるとされているため、日焼け止め選びではSPFとあわせて、PA値を確認することが重要と考えられています[Am J Clin Dermatol. 2001;2(3):131-4.]。
SPF・PA値を活かす塗り方|塗布量と塗り直しの重要性
日焼け止めのSPFやPA値は、検査時に定められた量である1cm²あたり2.0mg(顔全体に対して0.8g)を塗った条件で測定されています。しかし実際の使用量は1cm²あたり約0.5mg程度にとどまることが多く、塗布量が少ないとSPF値は大幅に低下することが報告されています[J Am Acad Dermatol. 2010;62(2):218-22.]。
検査時の4分の1から2分の1程度の量しか塗らない場合、SPF30の製品でも実際にはSPF15程度の防御力にとどまる可能性があると指摘されています[Acta Dermatovenerol Croat. 2003;11(3):158-62.]。こうした塗布量の不足を補うためにも、表示より高めのSPF値の製品を選ぶことが一つの方法と考えられます。
さらに、日焼け止めの防御効果は時間とともに低下し、塗布から4時間後には38~41%、8時間後には55~58%低下するというデータが示されています[J Clin Aesthet Dermatol. 2013;6(1):16-26.]。このことから、長時間の外出時には、こまめな塗り直しが効果を維持するうえで重要と考えられます。
日焼け止め選びのポイント|SPFとPAの両方を確認する
日焼け止めを選ぶ際は、SPF(UVB防御)とPA(UVA防御)の両方の数値を確認することが大切です。SPFだけに注目しがちですが、UVAも肌への影響があるため、UVBとUVAの両方の防御力を備えた製品が望ましいとされています[Am J Clin Dermatol. 2001;2(3):131-4.]。
また、毎日の紫外線対策としてSPF15以上の日焼け止めの使用が推奨されています[Am J Clin Dermatol. 2001;2(3):131-4.]。ただし、実際の塗布量が検査時より少なくなりがちであることを考慮すると、表示SPF値よりもやや高めの製品を選び、十分な量を塗ることが効果的な紫外線対策につながると考えられます[Acta Dermatovenerol Croat. 2003;11(3):158-62.]。
日焼け止めの使い方で日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、日焼け止めは「選ぶ」だけでなく「十分な量を正しく塗る」ことで、はじめて表示された効果が期待できると考えられている点です。
ここだけは伝えたいメッセージ
日焼け止めはSPFやPAの数値が高ければ安心というわけではなく、十分な量を塗り、こまめに塗り直すことで初めてその効果が発揮されます。日常の紫外線対策として、自分の生活スタイルに合った製品を選び、正しい量を塗る習慣を続けていくことが、肌の健康を守ることにつながると考えられます。
なお、日焼け止めを使っても肌の赤みや痛みが強い場合や、紫外線に対して過敏な症状がある場合には、医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:SPFとPAの違いを理解して日焼け止めを選ぶ
- SPFとは: 主に肌を赤くするUVBへの防御力を示す数値で、数字が大きいほど防御力が高い
- PAとは: 肌を黒くするUVAへの防御力を示す分類で、+の数が多いほど防御力が高い
- 選び方のポイント: SPFとPAの両方を確認し、生活シーンに合った製品を選ぶ
- 塗布量の重要性: 検査基準の量である1cm²あたり2.0mg(顔全体に対して0.8g)より少ないとSPF値が大幅に低下する
- 塗り直しの必要性: 防御効果は時間とともに低下するため、こまめな塗り直しが大切
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(参考文献)
Latha MS, Martis J, Shobha V, et al. Sunscreening agents: a review. J Clin Aesthet Dermatol. 2013;6(1):16-26.
Kim SM, Oh BH, Lee YW, Choe YB, Ahn KJ. The relation between the amount of sunscreen applied and the sun protection factor in Asian skin. J Am Acad Dermatol. 2010;62(2):218-22.
Moyal D, Chardon A, Kollias N. Determination of UVA protection factors using the persistent pigment darkening (PPD) as the end point. (Part 1). Calibration of the method. Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2000;16(6):245-9.
Scherschun L, Lim HW. Photoprotection by sunscreens. Am J Clin Dermatol. 2001;2(3):131-4.
Wolf R, Matz H, Orion E, Lipozencic J. Sunscreens--the ultimate cosmetic. Acta Dermatovenerol Croat. 2003;11(3):158-62.
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