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夏休みの子どもの生活リズム崩れを防ぐ5つのルール
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夏休みの子どもの生活リズム崩れを防ぐ5つのルール

井上 信明監修者

埼玉医科大学総合医療センター 小児科

井上 信明

夏休みの子どもの生活リズムの崩れを防ぐために、起床時刻を固定するなどの工夫をするとよいでしょう。

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夏休みに子どもの生活リズムが崩れやすい理由

夏休みになると、学校という決まったスケジュールがなくなります。ある研究では、子どもが3週間の休暇を過ごすと、就寝時刻が約75分、起床時刻が約100分遅くなったことが報告されています[Sleep. 2019;42(1):zsy205.]。

こうした現象の背景として、学校のある日は時間割によって食事・運動・休憩が定められている一方、夏休みのように予定の決まっていない日は、これらの行動が不規則になりやすいことが挙げられます。

夏休みの子どもの睡眠リズムを守る起床・就寝時刻の決め方

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、小学生の推奨睡眠時間は9〜12時間とされています。また、週末もできるだけ平日と同じ習慣で生活することが推奨されています[厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド2023.]。夏休みも同様に、平日と休日で就寝・起床時刻を大きく変えないことが生活リズムの維持につながると考えられます。

具体的には、起床時刻を毎日同じ時間に固定し、そこから逆算して就寝時刻を決める方法が取り入れやすいとされています。たとえば朝7時に起きる場合、9時間の睡眠を確保するために、夜10時までに就寝するというスケジュールが目安になります。

スクリーンタイムが子どもの睡眠に与える影響

夏休みは、スマートフォンやタブレットに触れる時間が増えやすい時期です。日本の乳幼児約7万5千人を対象とした大規模調査では、携帯型端末(スマートフォンやタブレットなど)の使用が睡眠時間の短縮と関連していたことが報告されています[Int J Environ Res Public Health. 2022;19(7):3914.]。一方、テレビやDVDの視聴にはそのような関連は認められませんでした。この結果は、スクリーンタイムの中でも特に手元の端末の管理が子どもの睡眠を守るうえで重要であることを示しています。

さらに、子ども・青少年を対象とした、寝る直前のスクリーンメディアの使用と睡眠との関係を調べた全研究のうち、約90%の研究が寝る直前のスクリーンメディアの使用と就寝時刻の遅れや睡眠時間の短縮との関連を示していました[Child Adolesc Psychiatr Clin N Am. 2018;27(2):229-245.]。厚生労働省のガイドでも、特に小中高生の1日2時間以上のスクリーンタイムは睡眠不足と関連するため使用時間を制限すること、スマートフォンの使用は夕方以降できる限り控えることが推奨されています[厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド2023.]。

朝の光と日中の運動で夏休みの生活リズムを整える方法

朝起きたら太陽の光を浴びることは、体内時計のリセットに役立つとされています。厚生労働省のガイドでは、朝の光を浴びることで夜のメラトニン(眠気を促すホルモン)の分泌が促され、睡眠の改善につながると説明されています[厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド2023.]。夏休み中も、起床後にカーテンを開けて光を取り込む習慣を続けることが、睡眠リズムの維持に役立つと考えられます。

日中の身体活動も生活リズムの維持に関わります。休暇が3週間続くと、子どもの座っている時間が1日あたり約33分増え、体をしっかり動かす時間が約12分減ったことが報告されています[Sleep. 2019;42(1):zsy205.]。この結果から、夏休み中も意識的に体を動かす時間を確保することが、生活リズム全体の維持に寄与する可能性があると考えられます。

夏休みの子どもの生活リズムを整えるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

夏休みの子どもの生活リズムを整えるための3つのコツと理由をまとめた表です。1つ目は「起床時刻を固定する」で、毎朝同じ時間に起き、起床後に朝の光を浴びることです。理由は朝の光がメラトニンの分泌リズムを整え、夜の入眠を助ける可能性があるためです。2つ目は「スクリーンタイムのルールを決める」で、特にスマートフォンやタブレットの使用を夕方以降は控えるようにすることです。理由は携帯型端末の使用が子どもの睡眠時間の短縮と関連することが報告されているためです。3つ目は「日中に体を動かす時間をつくる」で、外遊び・散歩・軽い運動など、毎日の活動を習慣化することです。理由は夏休み中は座っている時間が増えやすく、意識的な運動が生活リズムの維持に寄与する可能性があるためです。

特に重要とされるのは、起床時刻の固定と朝の光を浴びる習慣の組み合わせと考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ

夏休みの生活リズムの乱れは、学校という日常の構造がなくなることで多くの子どもに起こりうる自然な現象です。完璧を目指す必要はありませんが、起床時刻を決める・スクリーンタイムにルールを設ける・朝の光を浴びるといった小さな工夫を積み重ねることで、リズムの大きな崩れを防ぎやすくなります。

生活リズムの乱れが長期間続き、新学期が始まっても朝起きられない日中の眠気が強いなどの状態が改善しない場合は、医療機関への受診をご検討ください。

まとめ:夏休みの子どもの生活リズムを守る5つのポイント

  • 起床時刻を毎日固定する: 推奨睡眠時間(小学生は9〜12時間)から逆算して就寝時刻を決め、週末や夏休み中も同じリズムを維持する
  • 1日のスケジュールを組み立てる: 学校の時間割に代わる家庭内の予定を決めることで、食事・活動・休息のリズムが保たれやすくなる
  • スクリーンタイムを管理する: 特にスマートフォンやタブレットの使用は夕方以降控え、1日2時間以内を目安にする
  • 朝起きたら光を浴びる: 朝の光が体内時計をリセットし、夜のメラトニン分泌を促して入眠を助ける
  • 日中に体を動かす: 夏休み中は座っている時間が増えやすいため、外遊びや散歩など意識的に活動の時間を確保する

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(参考文献)

Sleep. 2019;42(1):zsy205.
Int J Behav Nutr Phys Act. 2017;14(1):100.
厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド2023.
https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf,(参照 2026-08-24).
Int J Environ Res Public Health. 2022;19(7):3914.
Child Adolesc Psychiatr Clin N Am. 2018;27(2):229-245.

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