

監修者山田記念病院 整形外科 整形外科部長
スマホ使用や首を前に曲げる姿勢との関連は報告されていますが、原因かは不明です。効果は未確認ながら、画面を少し上げ、ときどき顔を上げる工夫が考えられます。
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スマホで首や肩がつらくなるのはなぜ?
スマホを使いすぎる人は、そうでない人に比べて首の痛みがある人の割合が高かったという研究結果があります[Postgrad Med J. 2025;101(1197):620-626.]。これはある一時点でデータを集めた研究(観察研究)7本をまとめたものですが、結果にばらつきが大きく、主に海外の若い大人を対象とした研究でした。「使いすぎ」の基準も研究ごとに違い、スマホの長時間の使用が首の痛みの原因だとまでは言えそうにありません。
端末を持ち歩く利用者についての論文15本をまとめた報告では、体の不調の中で「首の不調」が最も多くみられました。この報告では、頭が前に出る姿勢が首の不調の要因のひとつとして「ある程度の根拠がある」とされています[Appl Ergon. 2017;59(Pt A):132-142.]。スマホを使う時間の長さと首の不調との関係については、結論が出ていません。
頭が前に出る姿勢と首の痛みの関係
スマホの利用者に限らず、頭が前に出る姿勢と首の痛みとの関係を調べた研究もあります。3件の研究では、首の痛みがある人ほど頭が前に出た姿勢がよくみられました。大人や高齢者では、より頭が前に出ているほど、痛みや生活への支障も大きい傾向がありました[Curr Rev Musculoskelet Med. 2019;12(4):562-577.]。
ただし、研究そのものの数が少なく、結果のばらつきも大きいものでした。また、いずれも観察研究であり、姿勢の悪化が先か痛みの出現が先かはわかっていません。
首の負担を減らすスマホの持ち方と画面の角度
スマホを見ながら立つと、普通に立つときと比べて首が大きく前に曲がるという実験結果があります。タブレットでは、画面を水平に近く寝かせるほど、首の曲がりが大きくなったという結果もあります[PLoS One. 2017;12(8):e0181220.]。報告そのものの根拠は弱く、長く経過を追跡した研究はありませんでした。
スマホの画面を持ち上げる効果を確かめた研究は現時点では見当たりませんでした。それでも、スマホを少し高く持つ、画面を寝かせすぎないといった工夫は、首の負担を少なくする考え方のひとつと考えられます。
休憩と首・肩の筋力トレーニングはどのくらい役立つ?
健康な人が仕事の際に休憩のとり方を変えた9つの試験をまとめた研究があります。ほとんどがオフィスワーカーで、いつもどおりの休憩と比べた結果です。休憩を増やしたり、休憩の種類を変えたりして首や腰の痛みを防げるかは、非常に不確かであるとされています[Cochrane Database Syst Rev. 2025;10:CD012886.]。これはスマホの利用者の研究ではなく、「○分ごとに休む」といった間隔の効果を確かめた研究も現時点では見当たりませんでした。
首の痛みがあるオフィスワーカーが職場で定期的に行う運動プログラムでは、首や肩を鍛える筋力トレーニングでも全身の運動でも、運動プログラムを行わない場合と比べて痛みが減っていました[Phys Ther. 2018;98(1):40-62.]。ただし、これはスマホの利用者の研究ではありません。
首・肩の負担を減らすうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ここだけは伝えたいメッセージ
スマホを見る姿勢は、画面の高さを変えたり、ときどき顔を上げて休憩することで見直せます。確実な効果は確かめられていませんが、できそうなことから試してみましょう。首や肩の痛みが長く続く、腕や手にしびれや痛みが広がるといった場合は、整形外科の受診をご検討ください。
まとめ:スマホと首・肩の負担で知っておきたいこと
- 首の痛みとの関連: スマホの使いすぎと首の痛みには関係があると報告されていますが、首の痛みの原因とまでは言えません
- 首を曲げ、頭が前に出る姿勢: 首の不調に関係する原因のひとつとして「ある程度の根拠がある」とされています
- 画面の高さと角度: 効果を確かめた研究は見当たりませんが、画面を少し持ち上げ、角度を寝かせすぎないことが工夫のひとつです
- 休憩: 痛みを防ぐ効果ははっきりしませんが、休憩のたびに前かがみの姿勢を見直すきっかけにするのは一案です
- 首・肩の筋力トレーニングや全身運動: 首の痛みがあるオフィスワーカーの運動プログラムで痛みが減ったという報告があります。ただし、スマホ利用者の研究ではありません
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(参考文献)
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Mahmoud NF, Hassan KA, Abdelmajeed SF, Moustafa IM, Silva AG. The Relationship Between Forward Head Posture and Neck Pain: a Systematic Review and Meta-Analysis. Curr Rev Musculoskelet Med. 2019;12(4):562-577. doi:10.1007/s12178-019-09594-y
Toh SH, Coenen P, Howie EK, Straker LM. The associations of mobile touch screen device use with musculoskeletal symptoms and exposures: A systematic review. PLoS One. 2017;12(8):e0181220. doi:10.1371/journal.pone.0181220
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