

監修者平塚市民病院 皮膚科
紫外線は肌だけでなく目にも影響を与えることが報告されています。UVカット機能付きサングラスを正しく選ぶことが、目の紫外線対策として有効と考えられています。
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紫外線が目に与える影響|急性と慢性の違い
紫外線は角膜や水晶体で大部分が吸収されますが、強い紫外線を短時間に浴びると「紫外線角膜炎」と呼ばれる急性の症状を起こすことがあります。目の強い痛みや充血、異物感(ゴロゴロする感じ)が特徴で、スキー場や海辺など紫外線の反射が強い場所で起こりやすいとされています[環境省. 紫外線環境保健マニュアル2020(2020年3月改訂版).]。
一方、長期間にわたって紫外線を浴び続けると、白内障(水晶体がにごって視力が低下する病気)や翼状片(つばさ状の組織が角膜に伸びてくる病気)のリスクが高まることが複数の研究で報告されています[Int Ophthalmol. 2014;34(2):383-400.]。世界全体では約1,500万人が白内障により失明しており、そのうち約10%は紫外線の曝露(さらされること)に起因する可能性があると推計されています[World Health Organization. Ultraviolet radiation. WHO Fact Sheet. 2022年6月21日.]。こうした数値は、日常的な紫外線対策が目の健康を守るうえで重要であることを示しています。
サングラスのUVカット基準の見方|紫外線透過率とUV400
サングラスを選ぶ際に確認したいのが「紫外線透過率」と「UV400」の2つの基準です。
紫外線透過率とは、レンズがどれだけ紫外線を通すかを示す数値です。この数値が低いほどUVカット性能が高く、紫外線透過率1.0%以下(=紫外線を99%以上カット)のレンズが推奨されています[J Long Term Eff Med Implants. 2004;14(1):67-71.]。「UV400」とは、波長400nm(ナノメートル)以下の紫外線をカットすることを意味します。
紫外線にはUV-AとUV-Bの2種類があり、UV-Aは波長315〜400nm、UV-Bは波長280〜315nmです。UV400対応のレンズであれば、UV-AとUV-Bの両方をカットできることになります。国際的にも、UV-AおよびUV-Bを99〜100%カットするサングラスの着用が推奨されています[World Health Organization. Ultraviolet radiation. WHO Fact Sheet. 2022年6月21日.]。
サングラスの選び方|レンズの色と形状のポイント
UVカット性能が高いサングラスを選ぶ際、レンズの色の濃さだけで判断するのは避けたほうがよいとされています。UVカット機能がないまま色の濃いレンズを使用すると、暗さによって瞳孔(ひとみ)が開き、かえって多くの紫外線が目に入り込む危険性があると報告されています[環境省. 紫外線環境保健マニュアル2020(2020年3月改訂版).]。この知見は、レンズの色ではなくUVカット性能の数値を確認することの重要性を示しています。レンズの色はグレー系が推奨されており、自然な色調を保ちやすいとされています[J Long Term Eff Med Implants. 2004;14(1):67-71.]。
形状も紫外線防御効果に大きく影響します。顔を覆うゴーグルはほぼ100%の防御効果があり、大型レンズのサングラスは中型のものより防御効果が高いことが報告されています[J Expo Sci Environ Epidemiol. 2019;29(6):753-764.]。レンズの隙間から入り込む紫外線を減らすため、顔にフィットする大きめのフレームを選ぶことがポイントです。
目の紫外線対策|サングラスと帽子の併用が有効
UVカット機能付きの眼鏡やサングラスを使用すると、目への紫外線曝露を大きく低減できるとされています[環境省. 紫外線環境保健マニュアル2020(2020年3月改訂版).]。ただし、サングラス単独では紫外線を完全には遮断できないことも報告されています[J Expo Sci Environ Epidemiol. 2019;29(6):753-764.]。この知見は、サングラスに加えてつばの広い帽子を併用することで、上方や側面からの紫外線をより効果的に防げる可能性を示しています。帽子やサングラスなどの衣類・アクセサリーによる防護が効果的な予防策であるとされています[Int Ophthalmol. 2014;34(2):383-400.]。
外出時には、UVカット機能付きサングラスとつばの広い帽子をセットで使うことが、目の紫外線対策として検討に値する方法と考えられます。
目の紫外線対策で日常生活の工夫として検討が推奨される点
特に重要とされるのは、UVカット性能を数値で確認したうえでサングラスを選ぶことと考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ
紫外線対策は肌だけでなく目にとっても大切です。UVカット性能が明記されたサングラスを選び、帽子と組み合わせることで、日常的に目を守る工夫ができます。
目の痛みや充血、見えにくさなどの症状が続く場合は、早めに医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:紫外線から目を守るサングラス選びのポイント
- 紫外線の目への影響: 短時間の強い紫外線で紫外線角膜炎(痛み・充血・異物感)が起こることがあり、長期的な曝露は白内障や翼状片のリスクを高めることが報告されています
- UVカット基準の確認: 紫外線透過率1.0%以下、またはUV400対応のレンズを選ぶことが推奨されています
- レンズの色に注意: UVカット機能のない濃い色のレンズは、瞳孔が開いてかえって紫外線が入りやすくなる危険性があります
- 形状の選び方: ラップアラウンド型や大型レンズなど、顔にフィットする形状のほうが紫外線防御効果が高いとされています
- 帽子との併用: サングラス単独では完全には防げないため、つばの広い帽子と組み合わせることが有効と考えられています
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(参考文献)
Yam JC, Kwok AK. Ultraviolet light and ocular diseases. Int Ophthalmol. 2014;34(2):383-400.
Backes C, Religi A, Moccozet L, et al. Sun exposure to the eyes: predicted UV protection effectiveness of various sunglasses. J Expo Sci Environ Epidemiol. 2019;29(6):753-764.
Sheedy JE, Edlich RF. Ultraviolet eye radiation: the problem and solutions. J Long Term Eff Med Implants. 2004;14(1):67-71.
World Health Organization. Ultraviolet radiation. WHO Fact Sheet. 2022年6月21日.
環境省. 紫外線環境保健マニュアル2020(2020年3月改訂版).





