

監修者医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
夏は水分不足や冷房による冷えが自律神経を乱し、便秘に影響を与えることがあります。
夏に便秘が起こりやすい理由|水分不足と腸の関係
夏は汗をかきやすく、体から水分が失われやすい季節です。脱水傾向にある場合、水分補給が便秘の改善に有効であることが報告されています[日本看護技術学会誌. 2013;12(2):33-42.]。体の水分が不足すると腸の中の便が硬くなりやすく、スムーズに排出されにくくなると考えられています。こうした「隠れ脱水」は自覚しにくいまま進むことがあるため、夏の便秘対策では意識的な水分補給が大切です。
冷房と自律神経の乱れが腸に与える影響
冷房の効いた室内と暑い屋外を行き来すると、体は急激な温度変化に対応しなければなりません。自律神経(じりつしんけい=体温や内臓の働きを自動的に調節する神経)のうち、交感神経が過剰に活性化すると腸の運動機能が低下することが示されています[Med Sci Monit. 2012;18(8):CR493-9.]。自律神経のバランスは繊細であり、こうした夏場の環境変化で自律神経が乱れることも、便秘の一因となります。
便秘対策の基本|水分補給と食物繊維の組み合わせ
便秘の改善には薬に頼る前に、まず生活習慣を見直すことが推奨されています。具体的には、水分補給と食物繊維の適切な摂取が基本的なセルフケアとして位置づけられています[便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症. 南江堂, 2023.]。
水分を1日あたり1.5〜2.0L補給すると、食物繊維による便秘改善の効果が高まることが報告されています[Hepatogastroenterology. 1998;45(21):727-32.]。つまり、水分補給と食物繊維を組み合わせることが、より効果的なセルフケアにつながると考えられます。
食物繊維を取り入れた夏の便秘セルフケア
食物繊維の補充が慢性便秘の改善に有効であることが、複数の研究を統合した分析で報告されています[Am J Clin Nutr. 2022;116(4):953-969.]。食物繊維は野菜、果物、海藻、きのこ、豆類などに多く含まれています。夏場は食欲が落ちやすい時期ですが、冷たいサラダやフルーツなど、無理なく取り入れられる工夫をしてみるのもひとつの方法です。これに関してもバランスが大切です。過剰な摂取は控えるようにしましょう。
夏の便秘対策のうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、水分補給と食物繊維を組み合わせたセルフケアと考えられています。
ここだけは伝えたいメッセージ
夏の便秘は、水分補給やこまめな食物繊維の摂取、冷房との付き合い方を少し工夫するだけで改善が期待できます。まずは今日からできることをひとつずつ試してみてください。
ただし、便秘が長く続く場合や、強い腹痛・血便などの症状がある場合は、医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:夏の隠れ便秘を防ぐセルフケアのポイント
- 水分不足と便秘の関係: 夏は汗で水分が失われやすく、脱水傾向が便秘の一因になる可能性があります
- 冷房と腸のリズム: 室内外の温度差による自律神経への影響が、腸の運動機能を低下させることがあります
- 水分補給の目安: 1日1.5〜2.0Lを目安にこまめに水分をとることが推奨されています
- 食物繊維の活用: 野菜・果物・海藻・きのこ・豆類などで食物繊維をとることが便秘改善に有効と報告されています
- 水分補給と食物繊維の組み合わせ: 両方を意識することで、より効果的なセルフケアにつながると考えられます
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(参考文献)
日本消化管学会 編. 便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症. 南江堂, 2023.
Anti M, Pignataro G, Armuzzi A, et al. Water supplementation enhances the effect of high-fiber diet on stool frequency and laxative consumption in adult patients with functional constipation. Hepatogastroenterology. 1998;45(21):727-32.
van der Schoot A, Drysdale C, Whelan K, Dimidi E. The Effect of Fiber Supplementation on Chronic Constipation in Adults. Am J Clin Nutr. 2022;116(4):953-969.
吉良いずみ. 便秘ケアとしての水分摂取のエビデンスに関する統合的文献レビュー. 日本看護技術学会誌. 2013;12(2):33-42.
Mazur M, Furgala A, Jablonski K, Mach T, Thor P. Autonomic nervous system activity in constipation-predominant irritable bowel syndrome patients. Med Sci Monit. 2012;18(8):CR493-9.
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