

監修者無所属 薬剤師
日焼け後72時間は、治す薬に頼るというより、紅斑(こうはん=赤み)・痛み・かゆみをやわらげる対症ケアが基本です[Am J Clin Dermatol. 2004;5(1):39-47.]。まずは冷却で炎症を落ち着かせ、続けて保湿剤で皮膚バリアを整えていきます。痛みやほてりが強いときは、症状緩和を目的にOTCの外用薬やアロエベラ配合のケア用品を選択肢として検討できます。水ぶくれなど強い症状がある場合は、医療機関への相談をご検討ください。
食事や市販のケアで届かないと感じたときは、医師に相談して処方を受けるという選択肢もあります。
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日焼け直後は何から始めればいい?→ まず患部を冷やして炎症を落ち着かせることが基本です
日焼けをしてしまったら、まず優先したいのは冷却です。日焼け後のケアについてまとめた研究では、コルチコステロイドや抗炎症薬、保湿剤の多くは回復にかかる時間そのものを大きく縮める効果は乏しく、紅斑・痛み・かゆみといった症状をやわらげる対症ケアが、急性の日焼けに対して最も現実的なアプローチだとまとめられています[Am J Clin Dermatol. 2004;5(1):39-47.]。つまり日焼け後のケアは「治癒を早める特効薬」ではなく、「つらい症状を落ち着かせる手当て」と考えるとわかりやすいでしょう。冷たいシャワーや濡らしたタオルで患部をやさしく冷やし、ほてりや赤みが落ち着くまで無理に温めないようにすることが、この対症ケアの第一歩になります。
72時間かけて保湿はどう進める?→ 皮膚のバリア機能を整えるために保湿剤でのケアを続けることが基本です
皮膚の表面には、外からの刺激や乾燥から体を守るバリア機能があります。このバリアを整える保湿剤にはいくつかのタイプがあり、それぞれの働きがバリアの状態を保つのに役立つと報告されています[Skin Pharmacol Physiol. 2023;36(4):174-185.]。具体的には、ワセリンのように水分の蒸発を防ぐタイプ、グリセリンのように水分を引き寄せるタイプ、セラミドのように角層(かくそう=肌の一番外側の層)を整えるタイプがあり、これらを組み合わせた保湿剤が日焼け後の乱れた肌をケアするうえで役立つと考えられています。日焼け直後だけでなく、72時間程度は肌がデリケートな状態が続くため、こまめな保湿を続けることが望ましいでしょう。
痛みやほてりが強いときはどうする?→ 症状緩和を目的にOTCの外用薬を選択肢として検討できます
冷却や保湿だけでは痛みやほてりがつらいと感じる場合、症状をやわらげる目的で市販の外用薬を選択肢とする方法もあります。健康な成人を対象にした研究では、局所用のジクロフェナクナトリウム0.1%ゲルを日焼け部分に使用したところ、自発的な痛みがはっきりと軽減し、塗布後数時間で赤みも和らいだと報告されています。約85%の人が良好〜優れた冷感を感じたとされ、目立った副作用も少なかったとされています[Eur J Dermatol. 2004;14(4):238-246.]。ただし、これも治癒を早めるものではなく、あくまで痛みや赤みといった症状をやわらげるためのケアです。水ぶくれやただれができている部分には使わず、そうした状態がある場合は医療機関への相談をご検討ください。
日焼け後の鎮静ケア用品はどう選ぶ?→ アロエベラなど鎮静成分を配合したケア用品も選択肢のひとつです
日焼け後専用の「アフターサン」ケア用品を選ぶときの目安として、鎮静成分の有無も参考になります。健康な人を対象に7種類の植物エキスの効果を比較した研究では、アロエベラが比較した中でもはっきりとした抗炎症作用を示したと報告されています[Hautarzt. 2013;64(1):40-46.]。この結果は、日焼け後の赤みをやわらげるケア用品としてアロエベラ配合のジェルなどが選択肢になり得ることを裏付けるものと考えられます。冷却・保湿といった基本のケアに、こうした鎮静系のケア用品を組み合わせるのもひとつの工夫です。
日焼け後ケアで意識したいポイント

ここだけは伝えたいメッセージ
日焼け後のケアは、特別な知識がなくても「冷やす→保湿する→つらい症状は無理せずケア用品を頼る」という流れを意識するだけで、72時間の間の肌の負担をやわらげていくことができます。あせって一気に治そうとせず、日々のケアを積み重ねる感覚で向き合うとよいでしょう。なお、水ぶくれや広範囲のただれ、発熱を伴うような強い症状がある場合は、自己判断でケアを続けず医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:日焼け後72時間のアフターケアのポイント
- 日焼け直後はまず冷たいシャワーや濡れタオルで患部を冷やし、炎症を落ち着かせる
- 72時間程度は皮膚のバリア機能がデリケートな状態のため、保湿剤でこまめにケアを続ける
- タオルや衣類でこすらず、やさしく扱うことも肌への負担を減らすうえで大切
- 痛みやほてりが強いときは、症状緩和を目的にOTCの外用薬を選択肢として検討できる
- 赤みが気になる場合は、アロエベラなど鎮静成分配合のケア用品も選択肢のひとつになる
- 水ぶくれやただれ、強い症状がある場合は医療機関への相談をご検討ください
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(参考文献)
Han A, Maibach HI. Management of acute sunburn. Am J Clin Dermatol. 2004;5(1):39-47. doi:10.2165/00128071-200405010-00006. PMID: 14979742.
Rajkumar J, Chandan N, Lio P, Shi V. The Skin Barrier and Moisturization: Function, Disruption, and Mechanisms of Repair. Skin Pharmacol Physiol. 2023;36(4):174-185. doi:10.1159/000534136. PMID: 37717558.
Magnette J, Kienzler JL, Alekxandrova I, et al. The efficacy and safety of low-dose diclofenac sodium 0.1% gel for the symptomatic relief of pain and erythema associated with superficial natural sunburn. Eur J Dermatol. 2004;14(4):238-246. PMID: 15319157.
Beikert FC, Schönfeld BS, Frank U, Augustin M. Antiinflammatory potential of seven plant extracts in the ultraviolet erythema test. A randomized, placebo-controlled study. Hautarzt. 2013;64(1):40-46. doi:10.1007/s00105-012-2505-x. PMID: 23337964.
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