

監修者Ubie株式会社 産婦人科
妊活中は特別な食事というより、妊娠前からバランスのよい食事を整えることが基本です。葉酸以外では、カルシウムや鉄などのミネラル、たんぱく質、ヨウ素などを意識するとよいとされています。あわせて、お酒やたばこを控えること、極端なダイエットを避けることも大切です。
かんたんアンケート
1 / 3
記事づくりの参考にします。
体の悩みが気になったとき、まずどうしますか?
ご回答は、サイト利用状況の分析に使う識別子(氏名・連絡先を含まないもの)とあわせて記録し、コンテンツ改善に利用します。広告主に提供するのは集計した割合などの統計値のみで、個々のご回答は提供しません。
妊活中の食事は普段の食事とどう違う?
結論からいうと、大きくは違いません。
妊活中だからといって特別な食材が必ず必要になるわけではなく、基本は妊娠前からバランスのよい食事を整えることとされています[厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」]。
バランスのよい食事とは、主食・主菜・副菜の揃った食事のことです。
- 主食:ごはん、パン、めん類
- 主菜:肉・魚・卵・大豆製品などのメインのおかず
- 副菜:野菜・きのこ・海藻などを使ったおかず
特に若い女性ではエネルギーや野菜が不足しがちで、野菜は1日350gを目安に、妊娠前から食生活を見直すことがすすめられています[同]。350gは、小鉢(小さなお皿)に5皿分くらいが目安です。
体重も、食事の内容と同じくらい大切です
意外に思われるかもしれませんが、国の指針がいちばん最初に挙げているのは「妊娠前から、健康なからだづくりを」という項目です。
日本の若い女性は「やせ」の割合が高く、やせすぎは、生まれてくる赤ちゃんの体重が小さくなることと関係するとされています[同]。極端に体重が減ると、生理が止まってしまうこともあります。
逆に、太りすぎも妊娠中の体調に影響します。
何を食べるかだけでなく、極端なダイエットをしていないかもあわせて見直してみてください。この考え方が、妊娠に備えて体づくりを整えるうえでの土台になると考えられます。
葉酸以外に意識したい栄養素:カルシウム・鉄・たんぱく質
バランスのよい食事の中でも、副菜で不足しがちなビタミンやミネラル、そして主菜でとるたんぱく質を十分にとることがすすめられています[厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」]。カルシウムは乳製品・緑黄色野菜・豆類・小魚などから、鉄などのミネラルは緑黄色野菜・豆類・赤身の肉や魚などからとることができます。葉酸だけに注目するのではなく、こうした栄養素も日々の食事の中で意識することが、妊娠前からの体づくりにつながると考えられます。
見落とされがちな「ヨウ素」も妊娠前から意識したい
ヨウ素は、のどにある「甲状腺」という小さな臓器が、体の調子を整えるホルモンを作るときの材料になるミネラルです。
お母さんがとったヨウ素は、赤ちゃんの脳や神経が育つうえで必要とされています[J Nutr Sci. 2022;11:e56.]。
妊娠すると必要な量が増えます。
1日にとりたい量(推奨量)
- 成人女性 140μg
- 妊娠中 140μg + 110μg = 250μg
およそ1.8倍に増える計算です[厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」]。
一方で、日本は「とりすぎ」にも注意が必要です
ここが日本ならではのポイントです。
海外では「ヨウ素が足りない」ことが問題になりがちですが、日本は海藻、特に昆布からヨウ素をとりやすい国です。国の報告書には、次のように書かれています。
> 「ヨウ素は、海藻類、特に昆布に高濃度で含まれるため、日本人は世界でも稀な高ヨウ素摂取の集団である」
> 「日本人のヨウ素摂取量は(中略)平均で1〜3mg/日だと推定できる」[同]
1〜3mgは1,000〜3,000μgです。とりたい量(140μg)の7倍から20倍以上にあたります。
そのため日本では、足りないことよりも、とりすぎのほうが起こりやすいのが実情です。
> 妊娠中・授乳中の上限量は1日2,000μgとされています[同]。
妊娠中はヨウ素のとりすぎの影響を受けやすいと考えられているため、妊娠していないとき(3,000μg)より低い上限が決められています。
気をつけたいのは、特に「昆布」
日本人がとっているヨウ素は、その約9割が昆布と昆布だしからと推定されています(昆布60%、昆布だし30%/同)。
海藻全般というより、昆布を意識するのが実際的です。
- とろろ昆布や昆布の佃煮を、毎日たくさん食べる
- 昆布だしを濃くとり、それを毎日続ける
- 海藻のサプリメントを飲み続ける
こうした場合は、上限を超えることがあります。
ふつうに食事で海藻を食べる分には、心配いりません。 「毎日、大量に」を避ければ十分です。ヨウ素は、わかめ・のり・魚・乳製品からもとれるので、昆布にかたよらず、いろいろな食品からとるのがよい方法です。
個々の栄養素より「食事全体の質」も大切
特定の栄養素だけでなく、食事全体の質やパターンも妊活期には注目されています。ここは「比較的一致していること」と「まだはっきりしないこと」を分けて読んでください。
比較的一致していること:控えたほうがよいもの
観察研究をまとめた総説では、次のようなものをとりすぎることが、妊娠しやすさにとってよくない方向と関連していたと報告されています[Hum Reprod Update. 2023;29(6):811-828.]。
- トランス脂肪酸や飽和脂肪酸(お菓子、揚げ物、脂の多い肉などに多い種類の脂)
- 加工食品(ハム・ソーセージ、インスタント食品など)
- 加糖飲料(砂糖の入ったジュースや清涼飲料水)
また、肉などの動物性たんぱく質の一部を、大豆製品などの植物性たんぱく質に置きかえることも、妊娠しやすさと関連する可能性が報告されています[同]。
まだはっきりしないこと:「地中海食がよい」と言えるか
同じ総説では、野菜・魚・玄米などの精製していない穀物・良質な油を中心とした食事のとり方(地中海食のようなもの)が、妊娠しやすさと最も一貫して関連していたと報告されています[同]。
地中海食とは、イタリアやギリシャなど地中海の近くでよく食べられている食べ方のことです。
ただし、ここで止めてはいけません。
これは「関連があった」という話で、「食べれば妊娠しやすくなる」と証明されたわけではありません
不妊の男女を対象に複数の研究を統合した分析では、地中海食をよく守る人とそうでない人とで妊娠率や出産率にはっきりした差は確認されず、研究ごとのばらつきも非常に大きいため、現時点で食事療法としてすすめられる段階ではないとされています[Nutr Rev. 2023;81(7):775-789.]
体外受精などの不妊治療を受けた人を多く含む別の分析でも、食事全体の質が妊娠率や出生率の改善に関わる可能性を示す予備的な報告はありますが、研究ごとのばらつきが大きく、どの食事パターンがよいかはまだはっきりしていません[Nutrients. 2023;15(11):2589.]
なお、青魚などに多い油(オメガ3脂肪酸)を含む魚介類については、研究によって結果が一致していません[Hum Reprod Update. 2023;29(6):811-828.]。
つまり、「これを食べれば妊娠できる」という食品は、今のところ見つかっていません。
妊活中は「控えること」も大切
ここまでは「何をとるか」の話でした。妊活期は「何を控えるか」も同じくらい大切です。しかも、こちらのほうが根拠ははっきりしています。
① お酒
妊娠中の飲酒は、赤ちゃんの発育に影響します[厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」]。
大事なのは、妊娠に気づくのは、たいてい妊娠してしばらく経ってからだということです。気づいたときには、赤ちゃんの体が作られる大事な時期が過ぎていることもあります。だからこそ、妊活中から控えるのが安全です。
② たばこ
自分が吸うことはもちろん、周りの人の煙を吸ってしまうこと(受動喫煙)も影響します。同じ指針にも「たばこの害から赤ちゃんを守りましょう」と書かれています。パートナーや家族にも協力してもらいましょう。
③ レバー・うなぎの食べすぎ
これらに多く含まれるビタミンAは、とりすぎると赤ちゃんに影響することがあり、妊娠前からの注意がすすめられています[同]。
「鉄をとるためにレバーを毎日」というのは避けてください。時々食べる分には問題ありません。
④ 水銀の多い魚
魚は体によい食品ですが、一部の魚は水銀を多めに含みます。国は妊婦向けに目安を示しています[厚生労働省「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」]。
1回およそ80g=刺身なら1人前、切り身なら1切れくらいが目安です。

普段よく食べる魚は、心配のないものがほとんどです。ツナ缶も大丈夫です。「魚を食べない」のではなく、「一部の魚だけ回数を気にする」と考えてください。
ここだけは伝えたいメッセージ
妊活中の食事は、何か特別なものを足すというより、これまでの食事を少しずつ整えていくことが基本です。今日からできる小さな工夫の積み重ねが、妊娠に備えた体づくりにつながると考えられます。
食事の質と妊娠しやすさの関係は、まだはっきりわかっていない部分が大きいのが現状です。「これを食べれば妊娠できる」という食品はありません。 高額な食品やサプリメントをすすめる情報には、十分ご注意ください。
一方で、葉酸サプリ400μg、お酒とたばこを控えること、極端なやせを避けることは、根拠のはっきりした対策です。まずはここから始めてみてください。
また、妊活は2人のことです。研究でも男性側の食事が調べられています。「女性だけが気をつける」のではなく、2人で一緒に取り組むほうが、続けやすい方法です。
一方で、必要な栄養素の量や食べ方には個人差があり、持病のある方(特に甲状腺の病気がある方)や、食事だけでは不安が残る方もいます。自分に合った食事内容やサプリメントの利用について気になる場合は、医師や管理栄養士など専門家への相談をご検討ください。
まとめ:妊活期の食事は「妊娠前からバランスよく」が基本
- 基本の考え方: 特別な食事ではなく、妊娠前から主食・主菜・副菜のそろったバランスのよい食事を整えることが土台になる
- 葉酸だけは別: 食事に加えて、サプリメントで1日400μgをとることが国からすすめられている
- 葉酸以外の栄養素: カルシウムや鉄などのミネラル、たんぱく質を、乳製品・緑黄色野菜・豆類・小魚・赤身の肉や魚などから意識してとる
- ヨウ素: 妊娠中は140μg→250μgと約1.8倍に増える一方、日本は海藻からとりやすくとりすぎにも注意が必要(妊娠中の上限は1日2,000μg)。特に昆布に気をつける
- 体重: やせすぎ・太りすぎの両方が妊娠に影響する
- 控えるもの: お酒、たばこ(受動喫煙も)、レバーの食べすぎ、水銀の多い魚
- 食事全体の質: 野菜・魚・穀物・良質な油を中心とした食事のとり方が妊娠しやすさと関連する可能性が報告されている(ただし研究結果は一貫せず、断定はできない)
- 相談先: 個人差があるため、気になる場合は医師や管理栄養士への相談を検討する
あなたは大丈夫?まずは肥満症かセルフチェック
STEP1
1 / 6・約30秒
20歳のころと比べて、体重は10kg以上増えましたか?
このチェックでわかること
- あなたのBMI(自動計算)
- 「肥満症」にあてはまる可能性の目安

編集・監修基準について
本記事は情報の正確性を担保するため、以下のフローを経て作成・公開されています。
コンテンツ制作・運営ポリシーについて
ユビーウェルネスをGoogleの優先ソースに登録
Googleの「優先ソース」に登録すると、Google検索やAIによる回答(AI Overviews / AI モード)で、ユビーウェルネスの記事が優先的に表示されるようになります。

(参考文献)
厚生労働省. 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針〜妊娠前から、健康なからだづくりを〜. 2021.https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/a29a9bee-4d29-482d-a63b-5f9cb8ea0aa2/aaaf2a82/20230401_policies_boshihoken_shokuji_02.pdf.(参照 2026-10-08).
厚生労働省.「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. II 各論 ミネラル(微量ミネラル)⑤ヨウ素. 2024. p.322-327.
厚生労働省.「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. II 各論 ビタミン(水溶性ビタミン)葉酸. 2024.
Iodine status, intake and knowledge among women of childbearing age. J Nutr Sci. 2022;11:e56.
The effect of nutrients and dietary supplements on fertility outcomes: a systematic review. Hum Reprod Update. 2023;29(6):811-828.
Mediterranean diet and fertility: a systematic review and meta-analysis. Nutr Rev. 2023;81(7):775-789.
Diet quality and fertility outcomes. Nutrients. 2023;15(11):2589.
厚生労働省. 妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項. 2010.https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/index-a.pdf.(参照 2026-10-08).







