手首のしこり・骨の出っ張りの治療や予防方法には何がありますか?

特に症状がない場合は様子を見ることがほとんどです。症状がある場合、原因に応じた治療を行います。

解説

治療や予防方法は以下の通りです。

症状がない場合

痛みや動きの制限などの症状がない場合、様子を見ることがほとんどです。
ただし、しこりのサイズが大きく、腫瘍などが疑われる場合には、原因検索のために針生検(患部の組織の一部を観察する検査)などが行われることもあります。検査で悪性腫瘍(がん)が疑われる場合、無症状でも手術による摘出を行う場合があります。

症状がある場合

痛みや動きの制限などの症状が強い場合は、原因に応じた治療を行います。
ガングリオンや腫瘍は予防しようがありませんが、病気によっては手首のしこりや骨の出っ張りを予防する方法もあります。
原因に応じた治療法・予防法は以下の通りです。

ガングリオン

ガングリオンの治療には主に以下の方法があります。

  • 針を刺して内部の液体を吸引する
  • 手術で摘出する

腫瘍

悪性腫瘍が疑われる場合、無症状でも手術で腫瘍を摘出する場合があります。良性の場合でも痛みなどの症状があれば、手術で摘出する場合もあります。

骨折後の変形

例えば、手首の骨折で最も頻繁に起こる「橈骨遠位端骨折」では、骨が短縮してくっつくことにより、手首の痛みが残ることがあります。
予防するためには、骨折した直後にできるだけ元の骨の形に戻した状態で骨折を固定することが重要です。骨のずれが大きければ徒手整復(としゅせいふく:骨折・脱臼を元の状態や位置に治すための処置)を行い、それでも良い位置が保てなければ手術を行います。既に変形してくっついて痛みが出ている場合には、新たに骨を切って長さを整える手術を行うこともあります。

関節の炎症や変形

例えばリウマチなどの関節炎では、炎症を抑える薬の内服や注射で治療します。早めに投薬を行い、炎症を抑えることで関節の変形を予防します。すでに関節の変形が強く進行している場合には、手術が行われることもあります。
加齢や使い過ぎで関節の変形による骨の出っ張りを起こすことがあります。特に、手首の親指側の関節(母指CM関節)で起こりやすいです。親指を使う際の痛みに気づいたら親指に負担のかかるような手作業は極力避け、サポーターの使用などによって進行の予防ができます。症状が強ければステロイドの注射や手術などが行われる場合もあります。

感染

感染によって膿が溜まってしこりになっている場合は、膿の部分に針を刺したり切開したりすることで膿を取り除き、同時に抗生物質による治療を行います。

公開日

最終更新日

まつだ整形外科クリニック 整形外科

栗原 信吾 監修

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(参考文献)

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