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O脚の場合、主にどのような治療をしますか?
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
子供の成長に伴うO脚は、自然に改善されるため治療は特に必要ありません。病的なO脚では、装具や薬を用いた治療や手術を症状に応じて行います。
解説
子供と大人ではO脚の原因となる病気が異なるため、治療や対応の方法が変わります。
子供の場合
正常な成長に伴うO脚
子供のO脚は必ずしも病気とは限りません。2歳くらいまでは、3〜4cmほど膝の間が開くくらいの軽度のO脚は、正常な成長のうちです。正常な成長によるO脚は左右対称であり、痛みや膝の機能の異常は生じません。
よく歩く時期になれば自然と脚がまっすぐになってくるため、この時期を待ちましょう。
くる病
カルシウムやリンによる骨の強化が不十分なために、骨の正常な成長が起こりにくくなる病気です。ビタミンD不足や遺伝が原因になります。
治療にあたっては、ビタミンDやカルシウム製剤の飲み薬や、くる病治療のための注射薬などが用いられます。
ブロント(Blount)病
脛(すね)の骨の成長に関わる組織である「成長線」に障害が起こる病気です。膝の内側で骨の成長が起こりにくくなり、膝の外側ばかり成長することで、脛の骨が内側に曲がってO脚になります。
ブロント病によるO脚は、正常な成長に伴うO脚と比べると時間がかかるものの、時間とともに自然とまっすぐな形へ矯正されます。変形が強い場合には、装具を用いたり手術が行われたりする場合もあります。
骨系統疾患
遺伝的な原因によって全身の骨や軟骨に異常が生じる病気をまとめて「骨系統疾患」と呼びます。代表的な病気に、骨形成不全症、軟骨無形性症、先天性脊椎骨端異形成症があります。
O脚やX脚の程度が強く症状がつらい場合には、手術が行われる場合もあります。
大人の場合
膝関節の軟骨のすり減り
成人した後に徐々にO脚が進んでいる場合、膝の軟骨のすり減りが原因で脚が変形している可能性があります。どなたにでも生じうる加齢による変化の1つですが、変形が進むことでつらい痛みや歩行のしづらさといった症状が起こることがあります。
治療としては、適度な運動や筋力トレーニング、ストレッチといったリハビリを行います。症状が強い場合には、副作用に注意しながら痛み止めの飲み薬や湿布薬を使用します。それでも日常生活に支障をきたす症状が続いたり悪化したりする場合には、傷んだ関節を人工のものに替える「人工膝関節置換術」などの手術が行われる場合があります。
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(参考文献)
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O脚の原因や考えられる病気には何がありますか?
2歳くらいまでは正常な成長に伴って軽度のO脚が見られます。大人では加齢により膝の軟骨がすり減ることなどが原因となります。病的なO脚では、バランスの悪い歩行や歩行時の痛みが症状として見られます。
O脚には初期症状はありますか?
初期には見た目の変化しか見られないことも多いです。くるぶしを揃えて立たないとわからないほど軽度の変形の場合もあります。
病的なO脚の原因として、どのような病気が考えられますか?
子供ではくる病やブロント病、骨折をはじめとする怪我などが、大人では変形性膝関節症などが考えられます。
O脚が疑われる場合、何科を受診したらよいですか? また、受診の目安はありますか?
痛みや歩きづらさがあれば整形外科を受診しましょう。子供の病的なO脚の場合、小児科で治療を行うことがあります。
自分でできるO脚の予防はありますか?
大人のO脚の原因である変形性膝関節症は、食事や運動習慣を気をつけることが予防につながります。
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