病的なO脚の原因として、どのような病気が考えられますか?

子供ではくる病やブロント病、骨折をはじめとする怪我などが、大人では変形性膝関節症などが考えられます。

解説

O脚の原因となる病気には、以下のようなものがあります。

脚の骨の正常な発育が妨げられる病気

くる病

カルシウムやリンによる骨の強化が不十分なために、骨の正常な成長が起こりにくくなる病気です。ビタミンD不足や遺伝が原因になります。

ブロント(Blount)病

脛(すね)の骨の成長に関わる組織である「骨端線(こったんせん; 小児の骨の端の方にある軟骨でできた柔らかい部分)」に障害が起こる病気です。なぜ障害が起こってしまうことがあるのかは、はっきりとは分かっていません。膝の内側で骨の成長が起こりにくくなり、膝の外側ばかり成長することで、脛の骨が内側に曲がってO脚になります。

骨系統疾患

遺伝的な原因によって全身の骨や軟骨に異常が生じる病気をまとめて「骨系統疾患」と呼びます。代表的な病気に、骨形成不全症、軟骨無形性症、先天性脊椎骨端異形成症があります。
症状は病気によってさまざまですが、身長が伸びにくい、O脚やX脚のように骨や関節が変形する、骨が弱くて折れやすい、といった症状が見られます。

骨折などの怪我が原因の病気

骨端線損傷

骨の成長に関わる骨端線は、完成した骨のようには頑丈ではありません。そのため、骨折を起こすような強い力が加わると傷ついてしまうことがあります。脛(すね)の内側の骨端線が傷つくと、膝の外側ばかりが成長することで、脛の骨が内側に曲がってO脚になります。

骨折後変形癒合

脛の骨が骨折した後、正しい形で骨が回復せずに曲がってしまうと、O脚となる場合があります。

膝関節の軟骨のすり減り

変形性膝関節症

成人した後に徐々にO脚が進んでいる場合、膝の軟骨のすり減りが原因で脚が変形している可能性があります。どなたにでも生じうる加齢による変化の1つですが、つらい痛みや歩行のしづらさがある場合には治療が必要となります。
膝にひどい怪我を負ったことがある方や、体重が重い方では、軟骨がすり減りやすいことがあります。

公開日

最終更新日

山田記念病院 整形外科 整形外科部長

濱畑 智弘 監修

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