化膿性汗腺炎の場合、主にどのような治療をしますか?

抗生物質を飲んで化膿の悪化を防止するとともに、手術によって瘻孔(ろうこう:皮膚の穴)を切除します。

解説

化膿性汗腺炎の治療は、一般に重症度による分類(Hurleyの病期分類)に応じて決定されます。これは病変部の状態による分類で、以下のように3段階に分けられます。
Ⅰ.単独の膿瘍のみ
Ⅱ.単独の病変部で瘢痕(はんこん:治ったあとの硬い傷跡)ができ、瘻孔(ろうこう:皮膚の穴)が形成される
Ⅲ.瘢痕と瘻孔からなる病巣部が複数癒合し炎症と慢性的な排膿を伴う
ⅠやⅡの状態で病変が小さい場合は、日帰りで行う程度の小手術や抗生物質の外用や内服といった薬物療法が試みられます。
ⅡやⅢの状態で病変が広範囲におよぶ場合や再発を繰り返す場合は、入院して全身麻酔で行うような手術や分子標的薬といった薬物療法を考慮します。
薬物療法としては、抗生物質の外用(クリンダマイシン、フジシン酸)や内服(テトラサイクリン)、生物学的製剤(アダリムマブ)の注射があります。
肥満や喫煙者である場合は、減量や禁煙といった生活指導が有効な時があるため推奨されています。
なお、化膿性汗腺炎の痛みに対して、鎮痛薬の効果を示すエビデンスはまだありません。このため、痛みを伴うしこりの根本的な治療は、切開して膿を出すなどの手術や生物学的製剤の使用であり、鎮痛薬はあくまで補助的な使用となります。

公開日

最終更新日

田中皮フ科クリニック 皮膚科

濱田 健吾 監修

(参考文献)

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