くる病

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くる病の原因や考えられる症状には何がありますか?

山田記念病院 整形外科 整形外科部長

濱畑 智弘 監修

リンという栄養素を体内に蓄えるために必要なビタミンDの作用の不足が主な原因です。身長の伸びの遅れや、O脚やX脚などの足の変形が見られることがあります。

解説

原因について

くる病は、リンという栄養素が不足することで起こります。リンを体の中で正常に蓄えるために重要なビタミンDが不足することが、この病気の主な原因の一つです。ビタミンDは以下のような場合で不足します。

食事や母乳からの摂取不足

ビタミンDはサケ、サバ、イワシなどの魚や、卵黄に多く含まれます。その他の食品には少量しか含まれず、例えば果物や野菜の多くにはほとんど含まれません。
また、母乳には含まれるビタミンDが少ないため、完全母乳児では赤ちゃんがビタミンD不足になる可能性があります。お母さんのビタミンDが足りていないと赤ちゃんのビタミンDもより不足しやすくなるため、お母さんがビタミンDを多く含む食品を積極的に摂取することや日光浴不足にならないよう適度な日光を浴びること、粉ミルクの活用を検討することが大切です。

日光浴の不足

ビタミンDは皮膚に日光(特に紫外線)を浴びることで体の中で作られます。ビタミンDは基本的に食品に含まれる量が少なく、ビタミンD不足の予防には日光を浴びる必要があります。
このため、外出不足や日焼け止めの多用により日光(特に紫外線)を浴びる時間が不足すると、ビタミンD不足となります。1日に日光を浴びる時間が、おおむね合計20〜30分あるとよいでしょう。冬の間は日光が弱くなるため、より長い時間浴びる必要があります。

その他

日常生活が原因となる場合以外には、遺伝子が原因で体の中でリンを蓄えておくことができなかったり、ビタミンDが上手く働かなかったりすることでくる病になる場合があります。

症状について

上記のような原因でくる病になると、骨が柔らかく脆くなります。この病気は子どもがなる病気で、骨が正常に成長しなくなります。
症状としては、身長の伸びが遅くなったり、O脚やX脚のように曲がって成長したりします。転びやすい、歩き方がおかしいといった症状で発見されることもあります。歯の成長にも不具合が起こり、虫歯になりやすくなる場合もあります。

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(参考文献)

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