「メトヘモグロビン血症」とはどのような病気ですか?
メトヘモグロビン血症は、酸素を運べない異常ヘモグロビンにより低酸素血症を生じる病気です。
メトヘモグロビン血症は、赤血球に存在するヘモグロビンの機能不全により、全身に酸素不足が引き起こされる状態です。
メトヘモグロビン(MetHb)は、ヘモグロビンの2価の鉄イオン(Fe2+)が酸化され、3価の鉄イオン(Fe3+)に変化した異常ヘモグロビンのひとつです。その結果、ヘムへの酸素結合が低下し、ヘモグロビンとしての酸素の運搬能力が失われた状態となります。
この疾患には先天性と後天性の2つのタイプがあります。先天性はNADHシトクロム還元酵素の欠損など、酵素異常によるものでまれです。
一方、後天性(中毒性)はアミン類、ニトロ化合物、亜硝酸エステル類、あるいはサルファ剤などの薬剤や化学物質の曝露によって引き起こされます。
症状はメトヘモグロビンの濃度により異なり、軽度ではチアノーゼ(皮膚や粘膜の青紫色)、中等度では頭痛、めまい、息切れ、重度では意識障害や致死的な低酸素症を引き起こすことがあります。治療には還元剤であるメチレンブルーの静注が用いられます。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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