全身性エリテマトーデス(SLE)の診断基準を教えてください。
厚生労働省の診断基準では、11項目のうち4項目以上を満たす場合、全身性エリテマトーデスと分類します。
厚生労働省の診断基準では、以下の11項目のうち4項目以上を満たす場合、全身性エリテマトーデスと分類します。
全身性エリテマトーデスの診断基準
- 典型的には鼻の付け根で繋がって両頬が赤くなる(顔面紅斑)
- 傷の跡のような淡い赤色の皮疹ができる(円板状皮疹)
- 日光にあたった部分の皮膚にかゆみを伴う発疹ができる(光線過敏症)
- 口の中または鼻咽腔に痛くない口内炎ができる(口腔内潰瘍)
- 関節炎(2関節以上で非破壊性)
- 胸膜、心膜など、漿膜(臓器の表面や体の内部の閉鎖空間を覆う薄い膜組織)の炎症
- 腎病変(臨床的に腎臓の障害が疑われる場合や0.5g/日以上の持続的蛋白尿や細胞性円柱、血尿が見られる場合に腎臓の生検を行い腎臓に炎症がないか)
- 神経学的病変 (痙攣発作あるいは精神障害などがあります)
- 血液学的異常(専門的には、溶血性貧血、4,000/mm3以下の白血球減少、1,500/mm3以下のリンパ球減少又は10万/mm3以下の血小板減少を指します)
- 免疫学的異常(専門的には、抗2本鎖DNA抗体陽性、抗Sm抗体陽性又は抗リン脂質抗体陽性※を指します)
- 細胞中の核内蛋白成分と反応する自己抗体(自分を抗原とみなして作られる抗体)である抗核抗体が陽性
※抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラント、梅毒反応偽陽性
上記の診断基準以外にも、
- 1997年のACR(米国リウマチ学会)分類
- 2012年のSLICC(Systemic Lupus International Collaborating Clinics)基準
- 2019年のEULAR/ACR(ヨーロッパリウマチ学会/アメリカリウマチ学会)分類
もよく使用されます。
公開日:
最終更新日:
亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科
小田 修宏 監修
(参考文献)
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