フィンゴリモド(イムセラⓇカプセル、ジレニアⓇカプセル)に副作用はありますか?

はい。感染症、不整脈、頭痛、下痢などさまざまな副作用が報告されています。

解説

フィンゴリモド(イムセラⓇカプセル、ジレニアⓇカプセル)は、一部の患者さんでは副作用が発生することがあります。その重大な副作用と一般的な副作用を以下に示します。

重大な副作用

感染症(頻度:45.3%)

ウイルス、細菌、真菌(カビ)などによる感染症にかかりやすくなることがあります。

徐脈性不整脈(頻度:徐脈は11.2%、房室ブロックは5.0%)

心拍数が低下したり、心臓の電気信号の伝達速度が低下したりすることで、脈が遅くなり、不整脈になる可能性があります。血圧低下、浮動性めまい、疲労、動悸などの症状が現れることがあります。

黄斑浮腫(頻度:0.6%)

かすみ目、視力低下などの視覚異常が現れることがあります。

悪性リンパ腫(頻度不明)

白血球の一種であるリンパ球が、がん化する可能性があると報告されています。

可逆性白質脳症症候群(頻度不明)

頭痛、意識障害(呼びかけへの反応が悪いなど)、けいれん、視力障害などの症状が現れる可能性があります。

脳卒中(頻度不明)

頭痛吐き気、麻痺症状、言語障害などの脳卒中の症状が現れることがあります。

末梢動脈閉塞性疾患(頻度:0.04%)

手足の痛み、しびれなどの症状が現れることがあります。

進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度:不明)

薬剤投与に伴う免疫力低下によって、JCウイルスに感染することで起こります。意識障害、認知機能障害、麻痺症状、言語障害などの症状が現れる可能性があります。

血小板減少(頻度:0.1%)

血小板減少に伴い、出血が止まりにくくなる可能性があります。

その他の一般的な副作用(頻度:5%以上)

  • リンパ球減少
  • 白血球減少
  • 頭痛
  • 下痢
  • 肝機能検査での異常値

使用中は、これらの副作用の発現に十分注意する必要があります。特に、重大な副作用については、早期の適切な処置や薬剤の使用中止が必要となる場合があります。上記のような症状が現れた場合は、速やかに医師に相談するようにしましょう。その他にも気になる症状があれば、すぐに医師・薬剤師へご連絡してください。

公開日

最終更新日

新百合ヶ丘総合病院 脳神経内科

武井 悠香子 監修

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(参考文献)

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