リュープロレリン酢酸塩(リュープリンⓇ)の作用機序について教えてください。

脳の下垂体に作用し、性腺刺激ホルモンと性ホルモン(エストラジオール、テストステロン)の分泌を抑制します。

解説

リュープロレリン酢酸塩(リュープリンⓇ)は、「LH-RH誘導体」と呼ばれる種類の薬です。通常、脳の「視床下部(ししょうかぶ)」という場所からは「LH-RH」というホルモンが出ます。このLH-RHが「下垂体(かすいたい)」という別の場所を刺激して、LHやFSHといった「性腺刺激ホルモン」を分泌させます。

そして、この性腺刺激ホルモンが、女性の「卵巣」や男性の「精巣」を刺激することで、女性ホルモン(エストラジオール)や男性ホルモン(テストステロン)が作られます。 これらの性ホルモンは、子宮内膜症子宮筋腫乳がん前立腺がん思春期早発症といった、特定の病気の原因になったり、病気を悪化させたりすることが知られています。

この薬は、この複雑なホルモン分泌の仕組みに働きかけることで効果を発揮します。

  1. 下垂体への刺激と抑制:この薬を使い始めると、最初は一時的に下垂体を強く刺激して、性腺刺激ホルモンを多く出させます。これを「急性効果」と呼びます。
  2. 反応性の低下:しかし、この薬を繰り返し投与すると、下垂体は性腺刺激ホルモンを過剰に刺激され続けることで「疲れて」しまい、性腺刺激ホルモンを分泌する能力が低下します。これを「反応性の低下」と呼びます。
  3. 性ホルモンの低下:結果として、卵巣や精巣への刺激が弱まり、エストラジオールやテストステロンなどの性ホルモンの分泌が持続的に抑えられます。これを「慢性効果」と呼びます。

この薬は、小さな粒(マイクロカプセル)の中に薬の成分が入っており、注射すると約4週間にわたってゆっくりと薬が体の中で放出され続けます。これにより、性ホルモンの低い状態が維持され、病気の進行が抑えられると考えられています。

公開日

最終更新日

無所属 薬剤師

齊藤 由佳 監修

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