前立腺がん
「前立腺がん」とは前立腺にできる癌のことです。前立腺は男性だけが持っている臓器で、前立腺癌には「尿が出にくい」「尿の回数が増える」などの症状があります。早期では無症状の場合が多く、健康診断から見つかる場合が多いです。主な診療科は泌尿器科です。詳しくは各Q&Aで医師の解説をご確認ください。
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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男性だけが有する、精液の一部を作る臓器である「前立腺」にできるがんのことです。
主に加齢や遺伝、人種、食生活、喫煙などが原因として考えられています。
患者さんの年齢やがんの進行度合い(ステージ)によって異なるため、一概には言えません。
前立腺がんのステージはおおまかに3つに分けられます。
絶対食べてはいけないという食べ物はありません。ただし、動物性脂肪やカルシウムの摂りすぎは、発症率や進行率を高める可能性があります。
マメや緑茶、トマト、玄米、果物、魚などは、前立腺がんの発症リスクを減らす可能性があります。
恥骨の後ろ、膀胱の下、肛門よりやや前方にあります。
年齢や転移の場所、悪性度などによって幅はありますが、余命は5年強ぐらいと考えられます。
リンパ節や骨、肺などに転移しやすいです。
可能ですが、治療によって性行為に影響が出る可能性が高いです。
性行為と前立腺がんの直接的な因果関係は証明されていません。
余命には、年齢や転移の有無、治療法などによって個人差があります。
完治する可能性は低いですが、痛みなどの症状を抑えることや、病的骨折のリスクを減らすことは可能です。
前立腺のエコー画像と解剖では名称が異なる場合があり、部位ごとに病気のリスクが異なります。
症状だけでステージはわかりません。
はい。進行リスクが低い場合、定期的に採血や前立腺生検等の検査だけを行い経過観察することがあります。
がんの進行度・悪性度、一緒に行う治療、年齢によって5年生存率は30%~100%とさまざまです。
70代で診断された方の5年生存率は約85%、80歳以上の方では約57%と報告されています。
進行が速い場合は骨転移や命に関わる恐れがありますが、遅い場合は定期的な診察で様子をみることもあります。
年齢など個人差はありますが、StageⅣでも5年生きられる可能性は平均約60%と報告されています。
年齢が影響することもありますが、進行速度にはがんの進行度や悪性度、PSAの値などが関係します。
症状について
前立腺がんが進行すると、尿が出にくい、尿の回数が増える、下腹部の違和感、体の痛みなどの症状が見られることがあります。
早期では無症状の場合が多く、検診によって見つかる場合が多いです。
徐々に回復しますが、術後の合併症として尿漏れが起こることは多いです。
ややまれです。前立腺がんが恥骨に骨転移や浸潤している場合は、動けないほど痛むことが多いです。
進行具合によりますが、転移した部分の骨や、腰、ペニスの付け根あたりに痛みがみられることがあります。
排尿に関する症状のほかに、骨の激しい痛みや、ひどいだるさ、体重減少、発熱などの全身症状が多いです。
はい。前立腺がんの末期症状として足のむくみが現れることはあります。原因に合わせた対処法があります。
受診について
治療について
ステージ等に応じて監視療法や、手術、放射線療法、ホルモン療法、化学療法が選択されます。
男性ホルモンの効果を抑える治療法です。ホルモン療法だけでは完治はせず、治療し続けることが必要です。
骨折リスクの上昇や性機能性障害などが挙げられます。
手術方法や合併症によりますが、高額療養費制度の自己負担上限額程度はかかります。
必ずしも必要ではありませんが、根治性が高い治療法です。いくつかの合併症を生じることはあります。
前立腺を全摘出すると射精そのものはできなくなりますが、射精感は残ることがあります。
はい。放射線治療はご高齢の患者さんでも受けることができますが、副作用が現れることがあります。
治療後早めに出る副作用と治療後しばらくしてから出る副作用があり、放射線治療の種類により異なります。
後悔される方もいますが、なるべく後悔しないために、事前に各治療の特徴を知ることが大切です。
診断について
(参考文献)
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