前立腺がんは治療しない場合どうなりますか?

進行が速い場合は骨転移や命に関わる恐れがありますが、遅い場合は定期的な診察で様子をみることもあります。

解説

前立腺がんには、進行が速いタイプと進行が遅いタイプがあり、放置した場合の影響は、そのがんの性質によって大きく異なります。

前立腺がんのタイプについて

進行しやすいタイプ

「去勢抵抗性前立腺がん」や「転移のある前立腺がん」など、進行が速く根治が難しいタイプがあります。
初期の前立腺がんは5年生存率が、ほぼ100%と予後がよいですが、転移を伴うと進行が速まり、命に関わることもあります。
そのため、進行リスクが高いがんを放置すると、進行を止められず深刻な状態になる可能性があります。

進行が遅いタイプ

他の病気で亡くなったあとの解剖で初めて見つかったがんを、ラテントがんと呼びます。
前立腺には、よくラテントがんが見つかることが知られています。
そのような進行が遅いタイプの中には、治療をしなくても寿命に影響を与えないことがあります。

治療せずに放置した場合に起こりえること

進行のしやすさによって、以下のようなことが起こる可能性があります。

進行しやすいタイプの場合

  • がんが徐々に増殖し、骨や臓器に転移して、根治できないほど進行する
  • 骨転移による激しい痛みが生じ、歩行困難や寝たきりになる
  • 進行すると生活の質(QOL)が大きく低下し、日常生活に支障をきたす

進行が遅いタイプの場合

  • 定期的に検査しても、しばらく治療しなくても進行しないことがある
  • 少しずつ大きくなり、ある程度大きくなるまで、治療をせずに経過観察できることがある
  • 過剰な治療による副作用を予防できる可能性がある
  • まれに急速に進行し、治療の選択肢が限られる可能性がある
個人の見解

前立腺がんが見つかった場合は、どのくらい進行しやすいタイプの前立腺がんかを知って、その後の治療の必要性や選択肢について医師としっかり相談することが大切です。

公開日

最終更新日

東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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