前立腺がんのステージ4の余命は?転移の有無でどう変わる?末期の生存率は?
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ステージ4の前立腺がんの余命はどのくらいですか?
ステージ4の前立腺がんの余命はどのくらいですか?
年齢や転移の場所、悪性度などによって幅はありますが、余命は5年強ぐらいと考えられます。
前立腺がんステージ4は、前立腺以外の部位へがんが転移した状態です。前立腺がんステージ4の方の5年生存率(前立腺がんと診断された人が5年後に生きている確率)は60~65%程度です。つまり余命としては、5年強程度と考えられますが、転移した部位によっても異なります(2020年報告)。
転移しやすい部位として、リンパ節や骨、肺、肝臓などがあり、それぞれにおいて前立腺がんの影響のみを考えて期待できる余命は下記の通りです。なお、年齢や持病、前立腺がんの悪性度、治療方法によって変わってきますので、詳しくは担当の先生に相談しましょう。
リンパ節
ステージ4でも治療が効果的な可能性があり、余命は11~13年が多いという報告があります。
骨
最も遠隔転移(がん細胞が最初に発生した場所と別の臓器や器官に移動して増えること)しやすい部位で、転移の量によって治療法や進行スピードが異なり、余命は、4~6年という報告があります。
肺
やや進行した場合が多く、主にホルモン療法や化学療法を行いますが、余命は2~4年とさまざまです。
肝臓
かなり進行した場合が多く、主にホルモン療法や化学療法を行いますが、余命は数ヶ月〜2年程度とさまざまです。
一般的に前立腺がんは男性ホルモンに依存して増殖するため、ステージ4の場合は、男性ホルモンの効果をなくす全身治療が行われやすいです。しかし、がんがホルモン治療に抵抗するように変化することがあり、その場合は上記の期間よりも短くなります。
(参考文献)
前立腺がんになった場合、転移の有無別での余命はどれくらいですか?
前立腺がんになった場合、転移の有無別での余命はどれくらいですか?
転移がなければ5年生存率はほぼ100%ですが、転移があると約5〜6割に下がります。
前立腺がんの5年後に生存している人の割合(5年生存率)は、がんが前立腺やその周囲にとどまっていればほぼ100%ですが、転移があると約5〜6割まで下がります[1]。そのため、余命についても転移の有無によって大きな差があります。
前立腺がんの転移とは
転移とは、がん細胞が血液やリンパの流れに乗って、骨やリンパ節など離れた臓器に広がることをいいます。前立腺がんは進行すると骨に転移しやすいことが知られています[2]。
前立腺がんのステージ(進行度)分類
前立腺がんの進行度は、一般にステージI期からIV期に分類されます[2]。ステージI〜III期は、がんが前立腺やその周囲にとどまっている段階です。ステージIV期は、周囲への広がりが強い場合や、骨やリンパ節、他の臓器にがんが転移している段階を指します。ステージが進むほど、治療の選択肢や見通し、生存率に影響が出やすくなります。
前立腺がんの転移の有無別の5年生存率
日本の院内がん登録(2014〜2015年に診断された人の集計)によると、がん以外の原因で亡くなった人を除いて計算した5年生存率は、ステージI期100.0%、II期100.0%、III期98.5%であるのに対し、転移のあるステージIV期は60.1%でした[1]。つまり、転移がない段階で見つかった場合、診断から5年間は、前立腺がんが原因で亡くなることは少なく、余命は同じ年代の人と大きく変わらないと考えられます。
前立腺がんが転移した場合の見通し
転移がない場合に比べて、転移がある場合は5年生存率は低下しますが、ステージIV期であっても、男性ホルモンの働きを抑えるホルモン療法などの治療により、進行を長期間コントロールできる場合があります[2]。
近年は、従来のホルモン療法に新しい薬を組み合わせる治療が広がり、海外の大規模な臨床試験では、転移がある人でも生存期間が延びることが繰り返し確認されています[3-5]。
たとえば、進行のリスクが高い転移がんを対象とした試験では、新しい薬を加えることで、半数の人が生存している期間(生存期間中央値)が約3年から約4年半に延びました[3]。
なお、年齢や持病、前立腺がん自体の悪性度、治療の内容や効き方によって生存率や生存期間には個人差があり、上の数値だけで一人ひとりの余命を判断することはできません。
転移の有無や今後の見通しについて不安がある場合は、主治医に相談しましょう。
(参考文献)
[1].国立がん研究センター. 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム「前立腺がん5年生存率」(2014-2015年診断例).
[2].日本泌尿器科学会編. 前立腺癌診療ガイドライン 2023年版. メディカルレビュー社, 2023.
[3].Fizazi K, et al. Abiraterone acetate plus prednisone in patients with newly diagnosed high-risk metastatic castration-sensitive prostate cancer (LATITUDE): final overall survival analysis of a randomised, double-blind, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2019 May;20(5):686-700.
[4].Sweeney CJ, et al. Testosterone suppression plus enzalutamide versus testosterone suppression plus standard antiandrogen therapy for metastatic hormone-sensitive prostate cancer (ENZAMET): an international, open-label, randomised, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2023 Apr;24(4):323-334.
[5].Smith MR, et al. Darolutamide and Survival in Metastatic, Hormone-Sensitive Prostate Cancer. N Engl J Med. 2022 Mar 24;386(12):1132-1142.
前立腺がんの末期と診断された場合の余命(生存率)について教えてください。
前立腺がんの末期と診断された場合の余命(生存率)について教えてください。
年齢など個人差はありますが、StageⅣでも5年生きられる可能性は平均約60%と報告されています。
前立腺がんには厳密な「末期」の定義はありませんが、最も進行した状態(Stage IV)の場合、5年生存率は約60%と報告されています。
ただし、生存率は年齢、喫煙歴、持病の有無 などによっても大きく変わります。
また、前立腺がんの進行リスクや以下のような違いによっても余命は個人差があります。
- すでに多くの治療を受けたあとに転移した場合
- 診断時にすでに転移していた場合
- ホルモン療法が効きやすい(ホルモン感受性前立腺がん)かどうか
- ホルモン療法が効かない(去勢抵抗性前立腺がん)かどうか
さらに、前立腺がんの治療は日々進歩しており、数年ごとに効果的な新しい治療が開発されています。
そのため、診断時期によって使用できる薬や治療法が異なる点も、生存率に影響します。
ホルモン療法が効かない「去勢抵抗性前立腺がん」の生存率については、ユビー病気のQ&A「去勢抵抗性前立腺がんの場合、余命はどのくらいですか?」をご参照ください。
個人差があるため、ご自身の余命(生存率)について、さらに詳しく知りたい場合は、担当医に確認することをおすすめします。
(参考文献)
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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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