前立腺がんがあっても性行為はできますか?
可能ですが、治療によって性行為に影響が出る可能性が高いです。
前立腺がんがあっても性行為は可能ですが、がんと診断されることによる心理的な影響によって勃起機能の低下や性欲の低下が報告されています。
特に前立腺がんの治療中や治療後は、以下のような原因でさらなる性機能障害が起こることが多いです。
手術を行った場合
手術では、精液の産生に関わる前立腺や精嚢を切除し、精子の輸送に関わる精管を切断します。勃起に関わる勃起神経は、前立腺を取り囲むように位置しており、がんの場所や悪性度によっては、勃起神経も切除する必要があり、その周囲の筋肉も一部切除することがあります。
そのため、以下のような症状が出ることがあります。
- 勃起障害/勃起不全(ED)
- 射精障害
- 性行為中に尿が漏れる
- 無オーガズム症、感覚の変化
- オーガズム時に痛みを伴う
ホルモン療法を行った場合
ホルモン療法では、男性ホルモンの働きを抑えるため、以下のような症状が出ることがあります。
- 性欲の喪失
- 勃起障害・勃起不全(ED)
放射線療法を行った場合
外部から照射する方法と、放射線を出す線源を埋め込む方法がありますが、どちらも手術による性機能障害よりは、EDなどの性機能障害の症状は軽度と言われています。長期的にみると血流への影響や周囲の線維化などのため、EDになることもあります。
また、基本的にホルモン療法を併用するため、ホルモン療法による性機能障害も生じます。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
日本泌尿器科学会. 前立腺癌診療ガイドライン 2023年版. メディカルレビュー社. 2023
J. Clavell-Hernández, et al. Sex Med Rev. 2018, 6(1), 124-134.
前立腺がん 治療.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/treatment.html(参照 2024-10-30)
国立がん研究センター.がんやがんの治療による性生活への影響 がんと診断された男性へ.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/dia_tre/sexual_health_issues/sexual_health_issues_02.html(参照 2024-10-30)
国立がん研究センター.前立腺がん 治療.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/treatment.html(参照 2024-10-30)
M.K. Ramirez-Fort, et al. Rep Pract Oncol Radiother. 2020, 25(4), 625-631.
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