転移のある前立腺癌の場合、1次治療ではどのような治療を行いますか?

男性ホルモンを抑える治療を基本に、新規ホルモン薬や抗がん剤を併用するのが標準的です。

転移のある前立腺がんの一次治療は、ホルモン療法を基本とし、状態に応じてお薬を組み合わせます。前立腺がんは男性ホルモン(テストステロン)の刺激で増殖しやすいため、まずこの刺激を断つ「ホルモン療法」が治療の土台となります。具体的には、注射薬を使用することや手術で精巣を取り除くことによって男性ホルモンを低下させます。

また、近年の研究で、最初からお薬を組み合わせた方が生存期間を大きく延ばせることがわかっています。そのため、現在は、基本的なホルモン療法に1つまたは2つ薬剤を加えた、2剤併用療法または3剤併用療法が標準的です。

二剤併用療法(ダブレット療法)

いくつかの条件の下、ホルモン療法に下記いずれかのお薬を加えます。

  • アビラテロン(ザイティガⓇ):男性ホルモンの産生をさらに強力に抑える飲み薬です。
  • エンザルタミド(イクスタンジⓇ):男性ホルモンが前立腺がん細胞に作用するのをブロックする飲み薬です。
  • アパルタミド(アーリーダⓇ):エンザルタミドと同様の作用を持つ飲み薬です。
  • ドセタキセル(タキソテールⓇ):点滴の抗がん剤です。

三剤併用療法(トリプレット療法)

転移の量が多い方(骨転移が多数あるか、内臓への転移がある方など)では、ホルモン療法+飲み薬+ドセタキセルの3剤を組み合わせる三剤併用療法が推奨されています。代表的なものに、ダロルタミド(ニュベクオⓇ)+ドセタキセル+ホルモン療法の組み合わせがあります。

どの治療を選ぶかは転移の量や場所、年齢や体力、持病の有無などによって異なります。治療の進歩によって以前より長く元気に過ごせる方が増えていますので、担当の先生とよく相談して自分に合った治療を選ぶことが大切です。

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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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