前立腺がんには初期症状はありますか?
初期はほとんど無症状です。進行すると尿が出にくい、頻尿、血尿などが現れることがあります。
前立腺がんは早期の段階では症状が出にくく、進行してから排尿の変化などで気づかれることが多い病気です。
前立腺がんの初期症状
初期の前立腺がんは、自覚症状がないことがほとんどです[1]。
前立腺は膀胱の下にあり尿道を取り囲むように位置する臓器で、いくつかの領域に分けることができます。
前立腺がんの多くは前立腺の外側の領域(辺縁域)にできるのに対し、排尿症状は前立腺の中心部が大きくなって尿道を圧迫することで起こります。そのため、がんが小さいうちは排尿の変化として気づかれにくいと考えられています[2]。
前立腺がんが進行すると出る症状
がんが大きくなり尿道や膀胱の近くまで広がると、次のような排尿に関する症状が現れることがあります[3]。
さらに進行して骨に転移すると、腰や背中の痛みなどが現れることもあります[1]。ただし、イギリスの診療所を対象とした研究では、これらの症状があっても前立腺がんと診断される割合は数%程度にとどまり、症状だけでがんかどうかを判断することはできないと報告されています[3]。
前立腺がんとPSA検査の関係
自覚症状が出にくい前立腺がんを早期に見つける手がかりとなるのが、血液検査であるPSA検査です[1]。PSA(前立腺特異抗原)は前立腺でつくられるたんぱく質で、がんがあると血液中の値が高くなりやすいとされています。検診でPSA値の上昇が見つかり、精密検査を経て診断に至ることが多くあります[1]。
ただし、PSAは前立腺がんだけでなく、前立腺肥大症や、前立腺炎などでも上昇するため、PSAが高いと指摘された場合は、時間をおいて何回か測定することも大切です。
前立腺がんの症状と前立腺肥大症との違い
排尿症状は前立腺肥大症でもよくみられることもあり、排尿症状があるからといって前立腺がんの可能性が高いわけではないと指摘されています[2]。前立腺肥大症は加齢に伴って前立腺が大きくなる良性の変化で、前立腺がんとは別の病気ですが、どちらであるかは検査を通じて確認する必要があります。排尿の変化が続く場合や、健診でPSA値の異常を指摘された場合は、自己判断せずに泌尿器科を受診しましょう。
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(参考文献)
[1].日本泌尿器科学会編. 前立腺癌診療ガイドライン 2023年版. メディカルレビュー社, 2023.
[2].Gnanapragasam VJ, et al. Urinary symptoms and prostate cancer—the misconception that may be preventing earlier presentation and better survival outcomes. BMC Med. 2022;20:264.
[3].Hamilton W, et al. Clinical features of prostate cancer before diagnosis: a population-based, case-control study. Br J Gen Pract. 2006;56(531):756-62.
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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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