前立腺がんとはどのような病気ですか？

男性には、膀胱の出口の尿道を取り囲むようにしてある「前立腺」という臓器があります。この前立腺にできるがんを「前立腺がん」と言います。
前立腺がんは、前立腺特異抗原（prostate specific antigen : PSA）検査を用いた検診が普及してきたこともあり、日本でも2016年以降男性で最も多く見つかるがんになっています。最新（2023年時点）の日本のデータでは、男性が生涯で前立腺がんに罹患する確率は約11％、9人に1人と言われています。
前立腺がんは多くが腺がん（体を構成する組織のうち、腺組織とよばれる上皮組織から発生するがん）ですが、顕微鏡で見ると様々なタイプに分けることができます。非常にゆっくり進行するタイプもあれば、急激に進行するタイプもあります。
生存率や取るべき治療法は、病気のステージやリスク、年齢によって異なります。治療法の選択肢は、手術療法、放射線療法、ホルモン治療、化学療法、PSA監視療法、その他の局所療法など多岐にわたります。

近親者に前立腺がんや乳がん、卵巣がんをお持ちの方がいらっしゃる40歳以上の方や、50歳を超えた方は、一度PSA検査を受診してみることをお勧めします。また、検査を受けっぱなしにするのではなく、検査結果をもとにお近くの泌尿器科等に相談し、その後の検診の頻度などを検討することも大切です。