前立腺がんのホルモン療法とはなんですか?ホルモン療法で完治しますか?
男性ホルモンの効果を抑える治療法です。ホルモン療法だけでは完治はせず、治療し続けることが必要です。
前立腺がんのホルモン療法とは
男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌や、作用を抑制することで、前立腺がんの進行を抑える治療のことです。
前立腺がんは、アンドロゲンによって増殖が促進さるため、ホルモン療法によって前立腺がんの増殖が抑えられれば、がんの増大や転移を遅らせる効果があり、結果的に前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAも低くなります。
また、ホルモン療法は放射線療法と合わせて行うことで、放射線療法の効果を高めることが報告されています。
ホルモン療法の方法としては具体的には以下の3つの方法があり、年齢や状況によって使い分けられています。
手術
男性ホルモンの約95%は精巣から分泌されるため、精巣を摘出することで男性ホルモンを減らすことができます。
- 去勢術(両方の精巣を取る手術)
注射薬
脳の視床下部から分泌されるLH-RH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)は、下垂体に働きかけて、下垂体からLH(黄体形成ホルモン)の分泌を促します。
そのLHが精巣に作用して男性ホルモンを増やす働きがあるため、LH-RHの働きを抑えると、最終的に男性ホルモンの分泌が減ります。
- LH-RH作動薬
- LH-RH阻害薬
内服薬
アンドロゲンががん細胞で働くことを直接的に抑える、または、体の中でアンドロゲンが作られないようにする薬があります。
抗アンドロゲン薬
- 新規アンドロゲン受容体シグナル阻害薬
ホルモン療法で完治するかに関して
ホルモン療法は、主に前立腺がん細胞の増殖を抑える治療法であり、手術のように根本的にがんを取り除いて完治を目指す治療法ではありません。
また、ホルモン療法の途中で前立腺がんがホルモンに関係なく増殖する去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)になってしまうことがあり、ホルモン療法だけで完治することは難しいです。
しかし、ホルモン療法を継続することでがんの進行を止め続け、前立腺がんによって命を奪われないこともあるため、年齢によっては、ホルモン療法だけで病気のコントロールが可能な場合もあります。
公開日:
最終更新日:
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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