神経調節性失神にはどんな薬を使う?神経調節性失神

監修医師白石 達也東日本橋内科クリニック 内科

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03

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神経調節性失神とは

脳への血流が一時的に低下する事が原因で生じる失神を指します。主に迷走神経や自律神経等が原因で発症します。また、排便や排尿等特定の状況において生じる失神のことを状況失神と言います。

「神経調節性失神」とはどのような病気ですか?

自律神経のバランスが一時的に崩れることにより 、脳への血流が減って一時的に意識を失う疾患です。

神経調節性失神は、失神の中で最も多く見られるタイプで、自律神経のバランスが一時的に崩れることで起こります。

私たちの体は、自律神経によって血圧や心拍数が常に調節されていますが、なんらかのきっかけでこの調節がうまくいかなくなり、急に血圧が下がって脳への血流が一時的に不足します。その結果、数秒から数分間、意識を失ってしまいます。

命に関わるような危険な病気ではありませんが、倒れることで怪我をする可能性があるため、注意が必要です。多くの場合は、横になるとすぐに脳への血流が回復し、意識も自然に戻ります。

さらに詳しく:「神経調節性失神」とはどのような病気ですか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科

神経調節性失神の「状況性失神」とはなんですか?

排尿や咳、食事の嚥下など、特定の動作が引き金となって起こる失神です。

状況失神は、神経調節性失神の一種で、特定の状況や動作が引き金となって起こる失神のことを指します。例えば、排尿や排便、咳き込み、飲み込む(嚥下)、重い物を持ち上げるといった特定の行動をとった直後に、急に血圧が下がって意識を失います。

これは、その動作が迷走神経という副交感神経を強く刺激し、心拍数の低下や血管の拡張を引き起こすために起こります。状況性失神自体が、生命の危機につながるわけではありませんが、失神に伴う怪我などには注意が必要です。

さらに詳しく:神経調節性失神の「状況性失神」とはなんですか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科
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神経調節性失神の症状

神経調節性失神には初期症状はありますか?

「前駆症状」という前ぶれがあります。血の気が引く感じや目の前が暗くなるなどのサインが出ます。

意識を失う数秒から数十秒前などに、多くの場合で「前駆症状」と呼ばれる初期症状(前ぶれ)があります。具体的には、スーッと血の気が引く感じ、目の前が暗くなったり、白いモヤがかかったように見えたり、冷や汗がどっと出たり、吐き気やめまいを感じたりします。

これらのサインは、脳への血流が減り始めていることを示しています。この初期症状を感じた時に、すぐにしゃがんだり、横になったりすることで、完全に意識を失う「失神」を防げる可能性があります。

さらに詳しく:神経調節性失神には初期症状はありますか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科

神経調節性失神ではどのような症状がありますか?

意識を失う前に、冷や汗、吐き気、めまい等の前兆があります。失神は短時間で、意識は自然に回復します。

最も代表的な症状は、一時的に意識を失う「失神」です。しかし、多くの場合、失神する直前に、特有の前ぶれがあります。例えば、急に目の前が暗くなる感じ、冷や汗、吐き気、めまい、顔面蒼白、動悸、耳鳴りなどです。

これらの症状は「前駆症状」と呼ばれ、「倒れそう」という感覚を伴います。失神している時間は通常短く、数分以内には意識がはっきりと回復します。意識が戻ったあとに、一時的なだるさや頭痛を感じることもありますが、後遺症が残ることはほとんどありません。

さらに詳しく:神経調節性失神ではどのような症状がありますか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科
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神経調節性失神の原因

神経調節性失神はストレスが原因になりますか?

強い精神的ストレスは自律神経のバランスを乱し、血圧低下を招くため、失神の大きな原因になります。

精神的なストレスは、神経調節性失神の大きな原因のひとつになります。強い不安や恐怖、緊張、あるいは嫌なことを見聞きした精神的なショックなどが引き金となることがあります。これは、強いストレスが自律神経のバランスを大きく乱すためです。

例えば、注射や採血が苦手な人が、針を見ただけで気分が悪くなったり、失神したりするのは典型的な例です。このように、身体的な要因だけでなく、心の状態も自律神経に大きく影響し、血圧や心拍の急激な変化を招いて、神経調節性失神を引き起こすことがあるのです。

さらに詳しく:神経調節性失神はストレスが原因になりますか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科

神経調節性失神の原因は何がありますか?

長時間の立位、痛み、精神的ストレスなどが引き金となり、自律神経のバランスが一時的に崩れることが原因です。

神経調節性失神は、自律神経のバランスが一時的に崩れることにより発症する疾患です。例えば、長時間立ちっぱなしでいること、強い痛みを感じること、注射などへの恐怖心、精神的なストレス、満員電車のような高温多湿の環境などが引き金になります。

これらの刺激によって、本来、体を活発にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経のバランスが崩れてしまいます。特に副交感神経が過剰に働くと、心拍数が減って、血圧が急低下して脳に十分な血液が送れなくなり、失神に至ります。特定の状況下で起こりやすいのが特徴です。

さらに詳しく:神経調節性失神の原因は何がありますか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科
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神経調節性失神の検査・診断

神経調節性失神のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

自分で神経調節性失神かどうかを、完全に判断することはできません。失神は危険な病気のサインである可能性もあるため、必ず医師の診断が必要です。ただし、失神が起こりやすい状況を振り返ることは、診断の助けになります。

  • 「長時間立っていると気分が悪くなる」
  • 「痛みや恐怖を感じた時に倒れたことがある」
  • 「排尿後や咳き込んだあとにクラっとする」
  • 「失神の前に必ず冷や汗や吐き気がある」

といった項目に当てはまる場合、神経調節性失神の可能性が考えられます。これらの情報を整理して医師に伝えることが、適切な診断への近道になります。

また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、神経調節性失神かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。

さらに詳しく:神経調節性失神のセルフチェックはできますか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科
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神経調節性失神の治療・対処法

神経調節性失神への対処法は?

人間は様々な原因で失神を起こしうるので、失神を繰り返す場合は必ず医療機関を受診し、原因の検索を行います。血管迷走神経反射性失神と診断された場合は、ストレスを避けたり排便や食後に注意します。降圧薬などを内服している場合は主治医に相談しましょう。

神経調節性失神の場合、主にどのような治療をしますか?

最初は薬を使わない方法が中心となり、それでも改善がない際は薬物治療などが検討されます。

神経調節性失神の治療は、まず薬を使わない方法が中心となります。最も大切なのは、どのような状況で失神が起こりやすいかを自分で理解し、その状況を避けることです。

また、失神の前ぶれを感じた時に、すぐにしゃがむ、座る、横になるなどの対処法を身につけることも重要です。これにより、転倒による怪我を防げます。こうした対策でも頻繁に失神を繰り返す場合は、血圧を保つための薬物治療などが検討されます。

さらに詳しく:神経調節性失神の場合、主にどのような治療をしますか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科
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受診の目安・何科を受診するべきか

神経調節性失神が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?

初めて失神した際は必ず受診してください。特に胸痛などを伴う場合は、危険な病気の可能性があるのですぐに病院へ。

初めて失神を経験した場合は、必ず一度は病院を受診してください。失神の原因には、心臓病やてんかんなど、危険な病気が隠れている可能性があるため、自己判断は禁物です。

特に、胸の痛みを伴う失神、動悸がしたあとの失神、家族に突然死した人がいる場合、横になっている時に起こった失神などは、危険なサインである可能性があるため、速やかに循環器内科を受診しましょう。

これまでに何度も経験があり、診断がついている場合でも、失神の頻度が増えたり、状況が変わったりした場合は、改めて医師に相談するのが安心です。

さらに詳しく:神経調節性失神が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科

神経調節性失神の専門医がいる近くの病院はありますか?

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神経調節性失神の薬

神経調節性失神は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

生活改善で効果がない場合、血圧を維持する薬を使います。副作用として頭痛や動悸などが起こる場合があります。

神経調節性失神の治療では、薬物治療は第一選択ではなく、生活習慣の改善で効果が見られない場合に検討されます。

使用される薬にはいくつかの種類があり、例えば、体内の電解質をバランスを保ちやすくすることにより、血液の量を増やして血圧を維持しやすくする薬(フルドロコルチゾン)や、血管を収縮させて血圧の低下を防ぐ薬(ミドドリン塩酸塩)などがあります。

これらの薬は医師の判断で慎重に使われます。副作用としては、薬の種類によりますが、頭痛、動悸、高血圧、吐き気などが報告されています。薬物治療を始める際は、期待できる効果と副作用について、医師から十分に説明を受けることが大切です。

さらに詳しく:神経調節性失神は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科
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対処法・セルフケア

神経調節性失神の場合、日常生活で気をつけることはありますか?

長時間の立位などを避け、水分をこまめに摂取します。前兆を感じたら、すぐにしゃがむなどすることが大切です。

日常生活では、失神の引き金となる状況を避けることが最も重要です。長時間立ち続けることは避け、こまめに座るなど姿勢を変えましょう。満員電車や人混みも要注意です。

水分は、脱水や血圧低下を防ぐために意識して、こまめに摂るように心がけてください。特に夏場や運動後は重要です。
神経調節性失神で気をつけることを説明する図です
また、失神の前ぶれである、めまいや冷や汗、吐き気などを感じたら、我慢せずにすぐにその場でしゃがんだり、横になったりしてください。脚を組んだり、つま先に力を入れたりする動作も、血圧低下を防ぐのに役立つことがあります。

さらに詳しく:神経調節性失神の場合、日常生活で気をつけることはありますか?監修医師本間 雄貴富士在宅診療所 一般内科

神経調節性失神で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

薬が効かない場合、生活習慣の改善や前兆時の対処法を再度徹底します。

まずは、治療の基本である生活習慣の見直しや対処法を、もう一度徹底することが重要です。失神を誘発する状況を確実に避ける、前兆を感じたら即座に安全な姿勢をとる、水分摂取などを適切に行う、といった非薬物療法を再度確認しましょう。

また、弾性ストッキングの着用などが有効な場合もあります。それでも改善しない重症の場合には、心臓のペースメーカーを植え込む治療が検討されることもありますが、適応は非常に限られます。主治医とよく相談し、根気強く対策を続けることが大切です。

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神経調節性失神について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「神経調節性失神」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 意識を一時失いましたか?
  • 日常的に午前中は調子が悪いと感じていますか?
  • 排尿・排便の後に気が遠くなった、あるいは気を失ってしまいましたか?
  • これまでに立ち上がった時に意識がなくなったことがありますか?
  • 痛みによって意識がなくなりましたか?

神経調節性失神に関連する症状としては次の症状があります

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この記事の監修医師

監修医師 白石 達也

白石 達也 先生

東日本橋内科クリニック 内科・循環器内科

京都大学医学部卒。田附興風会医学研究所北野病院で臨床研修、仁生社江戸川病院で循環器内科医として勤務。Ubie社での勤務を経て、東日本橋内科クリニック院長。

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03