網膜症に初期症状はある?網膜症

監修医師山口 知暁東北大学病院 眼科

更新日
2026/10/27
公開日
2020/11/24

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網膜症とは

「網膜症」とはどのような病気ですか?

網膜の異常で視力が低下する病気です。

網膜症とは、目の奥にある網膜(光を感じ取り映像を脳へ伝える組織)に障害が起こる病気の総称です。特に血管の異常が中心となり、血流が悪くなったり、出血したりすることで視力に影響します。

代表的なものは、糖尿病網膜症や高血圧性網膜症で、いずれも全身疾患に関連して進行します。初期は自覚症状が乏しいため、発見が遅れやすく、進行すると視力低下や失明につながることがあります。早期に眼科で検査・治療を受けることが重要です。

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網膜症の症状

網膜症には初期症状はありますか?

初期は自覚症状がほとんどありません。

網膜症の初期段階では、ほとんどの人が自覚症状を感じません。血管に小さな出血や変化があっても視力には影響が出にくいため、患者さん自身が気づくことは困難です。そのため、病気がかなり進行してから「ものがかすむ」「暗い部分が見える」といった症状で初めて発見されることが少なくありません。

特に糖尿病患者さんでは、発症して数年後から網膜症が始まる可能性があるため、症状がなくても、年に1回以上の眼底検査を受けることが強く推奨されます。早期発見が失明を防ぐ最大の手段です。

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網膜症ではどのような症状がありますか?

視力低下や視野欠損、かすみ目が出ます。

網膜症は進行するまで、自覚症状が少ないことが特徴です。中期以降になると「ものがかすんで見える」「ゆがんで見える」「視野の一部が暗くなる」「飛蚊症(視界に虫や糸くずのような影が見える)」などの症状が現れます。

さらに重症化すると、硝子体出血や網膜剥離を起こし、急激な視力低下や失明の危険性があります。症状は一度出てしまうと回復が難しい場合も多いため、症状がなくても定期的な眼底検査で早期発見することが不可欠です。

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網膜症の原因

網膜症の原因は何がありますか?

糖尿病や高血圧など全身疾患が主因です。

網膜症の原因として、最も代表的なのは糖尿病で、血糖値が高い状態が続くと網膜の毛細血管が傷つき、出血や血流障害が生じます。さらに、高血圧は血管の壁を硬化させ、網膜の血流に悪影響を与えます。そのほか、動脈硬化や脂質異常症、網膜静脈閉塞症、さらには眼外傷なども発症の引き金となることがあります。

つまり、網膜症の多くは、全身の血管に負担をかける病気と密接に関係しており、生活習慣病の一環として考える必要があります。したがって、原因を取り除くためには、血糖や血圧の管理、食生活の改善が欠かせません。

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網膜症の検査・診断

網膜症のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

網膜症になりやすい人の特徴には、以下があります。

  • 糖尿病を長期間患っている人
  • 血糖コントロールが不十分な人
  • 高血圧や脂質異常症を合併している人
  • 喫煙習慣がある人
  • 過度の飲酒を続けている人
  • 運動不足や不規則な生活をしている人
  • 家族に糖尿病や網膜症の既往がある人
  • 高齢で血管の老化が進んでいる人
  • 目の外傷や眼疾患の既往歴がある人

また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、網膜症かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。

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網膜症の治療・対処法

網膜症の場合、主にどのような治療をしますか?

レーザー治療や薬物注射、手術を行います。

網膜症の治療は、原因疾患の管理と眼科的治療の両方が必要です。糖尿病網膜症では、血糖コントロールが最優先です。眼科治療としては、異常な新生血管や出血を抑えるために「レーザー光凝固術」が行われます。

さらに、VEGF阻害薬(血管新生を抑える薬)の眼内注射も効果があります。進行して硝子体出血や網膜剥離を伴う場合は、「硝子体手術」が適応されます。治療は進行度に応じて選択され、早期発見ほど効果が高いといえます。

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受診の目安・何科を受診するべきか

網膜症が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?

見えにくさや視野異常を感じたら受診が必要です。

網膜症は症状が出にくいため、糖尿病や高血圧と診断された時点で、定期的に眼科検査を受けるべきです。症状が出てから受診するのでは遅い場合が多く、特に「急にかすんだ」「視界に黒い点が増えた」「一部が暗く見える」といった変化があれば、早急に眼科を受診する必要があります。

糖尿病患者さんは、症状がなくても年1回以上、眼科での眼底検査を受けることが推奨されています。症状が軽微でも放置せず、早めに受診することが大切です。

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網膜症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?

眼科を受診するのが基本です。

網膜症が疑われる場合、まずは眼科の受診が必要です。眼科では眼底検査や光干渉断層計(網膜の断面写真)による画像診断で、網膜の血管状態や出血の有無を詳細に調べることができます。

糖尿病や高血圧が背景にあるときは、内科と連携して全身の病気を管理することも重要です。したがって、「視力の異常を感じた」「飛蚊症が出てきた」などの症状があれば、まず眼科へ行き、必要に応じて内科的治療も並行して行うのが望ましいです。

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網膜症の専門医がいる近くの病院はありますか?

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網膜症の薬

網膜症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

抗VEGF薬の注射をします。副作用も報告されています。

網膜症の薬物治療では「抗VEGF薬(血管内皮増殖因子阻害薬)」が主に使われます。これを眼内に注射することで、異常な新生血管の増殖を抑え、出血や浮腫(むくみ)を改善します。

副作用としては眼内炎(感染)、眼圧上昇、眼の痛み、結膜出血などが、まれに起こります。また、全身的には心血管系への影響がないか注意が必要です。

薬物治療は効果的ですが、複数回の注射が必要になることも多く、医師と相談しながら継続的に行います。

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対処法・セルフケア

網膜症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

レーザー治療や手術が検討されます。

抗VEGF薬の注射で効果が不十分な場合には、レーザー光凝固術や硝子体手術といった外科的治療が検討されます。

レーザー治療は網膜に光を当てて、異常な血管の増殖や出血を抑え、病気の進行を遅らせることができ、失明のリスクを下げる効果が期待されます。

一方、硝子体手術は、硝子体出血が広がったり、網膜剥離が進行したケースで行われ、視力の改善やさらなる悪化防止を目的とします。

さらに、抗VEGF薬の種類を変更することも治療選択肢のひとつです。重要なのは、これらの治療を行うだけでなく、糖尿病や高血圧といった基礎疾患の管理を徹底し、全身の状態を安定させることです。眼科治療と全身治療を両立させることが、長期的な視力の維持に欠かせません。

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網膜症に関連するその他の質問

糖尿病網膜症になると、ものの見え方はどうなりますか?

かすみ、ゆがみ、暗点などが出ます。

糖尿病網膜症が進行すると、視界にさまざまな異常が出ます。具体的には「かすんで見える」「直線がゆがんで見える」「視野の一部が暗くなる」「黒い点や影が浮かぶ」といった症状です。さらに悪化すると、突然の硝子体出血で真っ暗になって見えなくなることもあります。

これらの視覚異常は、日常生活に大きな支障を与え、仕事や運転が困難になる場合もあります。見え方の変化を感じたら、早急に眼科を受診し、進行を食い止める治療を受けることが大切です。

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糖尿病と目の関係について教えてください。

糖尿病は目の血管に深刻な影響を与えます。

糖尿病は、全身の血管を障害する病気であり、目もその影響を強く受けます。特に網膜は細い血管が集中しているため、血糖コントロール不良により、糖尿病網膜症を起こしやすくなります。さらに、糖尿病は白内障の発症を早めたり、緑内障のリスクを高めたりもします。

つまり、糖尿病は網膜症に限らず、目全体の健康に直結する病気なのです。目の異常は生活の質を大きく下げるため、糖尿病患者さんは血糖管理だけでなく、定期的な眼科受診を習慣化することが必要です。

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糖尿病と網膜症はどのような関係がありますか?

糖尿病は網膜症の最大の原因です。

糖尿病は、血糖値が高い状態が続くことで、全身の血管にダメージを与えます。特に細い毛細血管が集まる網膜は影響を受けやすく、糖尿病網膜症を発症します。日本では、成人の失明原因の上位に位置する重大な合併症です。

糖尿病を長期間患っているほど、発症リスクが高まり、血糖コントロールが不十分だと進行も早くなります。したがって、糖尿病と診断された時点で、眼科検診を受けることが必須です。糖尿病と網膜症は切り離せない関係にあります。

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糖尿病の合併症である網膜症について教えてください。

失明原因となる糖尿病の三大合併症のひとつです。

糖尿病網膜症は、糖尿病腎症・糖尿病神経障害と並ぶ「糖尿病三大合併症」のひとつです。初期は無症状ですが、進行すると網膜の血管から出血したり、新生血管が増殖して硝子体出血や網膜剥離を引き起こします。その結果、重度の視力低下や失明に至る危険性があります。

日本では失明原因の上位を占め、社会的影響も大きい疾患です。しかし、適切な血糖管理と定期的な眼底検査により、予防や進行抑制が可能です。合併症として最も注意すべき病気のひとつと言えます。

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この記事の監修医師

監修医師 山口 知暁

山口 知暁 先生

東北大学病院 眼科

【経歴】 金沢桜丘高校卒業 金沢医科大学卒業 東北大学卒後研修センター 臨床研修 東北大学病院 眼科

更新日
2026/10/27
公開日
2020/11/24