

監修者おだかクリニック 循環器内科 副院長
登山では、水分と電解質を補給できる飲料、日焼け止め、通気性のよい衣類や帽子などをそろえることが大切です。
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登山で脱水を防ぐ水分補給の持ち物
登山やハイキングでは、気温と運動による発汗で体内の水分が大きく失われます。体重の2%を超える水分が失われると運動能力が低下しやすくなると報告されており[Med Sci Sports Exerc. 2007;39(2):377-90.]、行動時間や気温に見合った量の飲料を持参することが大切です。
ただし、飲む量は多いほどよいわけではありません。野外環境での熱中症予防に関する診療指針では、のどの渇きに応じて飲む方法が推奨されており、渇いていなくても水分をとり続ける考え方は見直されています[Wilderness Environ Med. 2024;35(1_suppl):112S-127S.]。
登山時の水分補給では電解質も一緒にとることが大切
水だけを大量に飲むと、体内の塩分濃度が下がりすぎる「低ナトリウム血症」(血液中のナトリウム濃度が異常に低くなる状態)を招くおそれがあります。ハイカーを対象とした調査では、間接的な証拠から水分の過剰摂取が発症に関与している可能性が指摘されています[Am J Emerg Med. 1999;17(6):532-9.]。
そのため、水だけでなく電解質(ナトリウムやカリウムなどのミネラル)を含む飲料や塩分タブレットの携行が重要です。診療指針でも6時間を超える運動では塩分を補うことが推奨されており[Wilderness Environ Med. 2024;35(1_suppl):112S-127S.]、電解質と糖質を含むスポーツドリンクが有用な選択肢になります[Med Sci Sports Exerc. 2007;39(2):377-90.]。
登山で紫外線から体を守る持ち物
標高が高い場所では紫外線量が平地より大幅に増えます。山岳ガイド9名を1年間測定した調査では、1日あたりの紫外線量が職業上の安全基準を中央値で6倍、最大で23倍上回っていました[Int J Cancer. 2003;103(6):775-8.]。参加人数の少ない調査ではありますが、高所での紫外線対策の必要性を示しています。
日焼け止めは、標高が高いほど紫外線量が増えるためアウトドアではSPF50以上を選ぶほうがよいとする専門家の意見もあります[J Travel Med. 2020;27(6):taaa048.]。UVカット機能のある帽子やサングラスも併せて持参すると効果的です。
熱中症を防ぐ衣類選びと行動の工夫
診療指針では、活動前に体の水分を満たしておくことに加え、1日1〜2時間の暑さのなかでの運動を8日以上続けて体を暑さに慣らすことが推奨されています[Wilderness Environ Med. 2024;35(1_suppl):112S-127S.]。
衣類は帽子と通気性・吸湿性のよいものが推奨されます[厚生労働省. 熱中症を防ぎましょう.]。日陰の少ない稜線歩きもあるため帽子は特に重要です。気温が高い日は早朝に出発して昼前に行動を終えるなど、スケジュールの調整も有効です。
登山の健康管理を見直すうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、水分だけでなく電解質も一緒に補給することと考えられています。
ここだけは伝えたいメッセージ
出発前に持ち物リストを確認し、水分・電解質の補給用品、日焼け止め、帽子、通気性のよい衣類をそろえておくと安心です。
登山中に強いめまい、吐き気、意識がもうろうとするなどの症状が現れた場合は、無理をせず日陰で休み、改善しないときは医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:登山を安全に楽しむための持ち物と健康管理
- 水分補給用品: 行動時間に見合った量の飲料を持参し、のどの渇きに応じて飲むのが基本です
- 電解質補給: 塩分タブレットやスポーツドリンクなど、電解質を含む補給品も携行しましょう
- 紫外線対策: 日焼け止めをこまめに塗り直し、UVカットの帽子やサングラスを併用します
- 衣類: 通気性・吸湿性のよい衣類で熱中症リスクの軽減が期待されます
- 行動計画: 暑い時間帯を避け、こまめに休憩をとることが熱中症予防につながります
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(参考文献)
Sawka MN, Burke LM, Eichner ER, et al. American College of Sports Medicine position stand. Exercise and fluid replacement. Med Sci Sports Exerc. 2007;39(2):377-90.
Backer HD, Shopes E, Collins SL, Barkan H. Exertional heat illness and hyponatremia in hikers. Am J Emerg Med. 1999;17(6):532-9.
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Moehrle M, Dennenmoser B, Garbe C. Continuous long-term monitoring of UV radiation in professional mountain guides reveals extremely high exposure. Int J Cancer. 2003;103(6):775-8.
Zafren K. Sunscreen for adventure travel: use sun protection factor 50 or higher. J Travel Med. 2020;27(6):taaa048.
厚生労働省. 熱中症を防ぎましょう(熱中症予防のための情報・資料サイト). https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/prevent.html.(参照 2026-10-06).







