

北水会記念病院 整形外科
肩こりと首こりは、首から肩にかけての同じ筋肉が関わっていることが多く、ケアの仕方に大きな違いはないと考えられています。
肩こりと首こりに共通する筋肉
肩こりと首こりは、別々の症状として語られることが多いものの、実際には同じ筋肉が関わっていることが少なくありません。首・肩の痛みがある成人を対象とした研究では、首から肩甲骨にかけて伸びる肩甲挙筋・首を支える頚伸筋・肩甲骨周りの棘下筋という3つの筋肉の圧痛(押すと痛む反応)の頻度が18〜30%(女性データ)でした。これは、いわゆる肩こりの代表的な筋肉とされる上僧帽筋の圧痛の頻度(12.6〜16.1%、同じく女性データ)よりも高い数値です[BMC Musculoskelet Disord. 2011;12:169.]。
この研究では、上僧帽筋だけでなく、これら複数の筋肉に同時に注目すべきだと結論づけられています。つまり、「首の筋肉」と「肩の筋肉」を明確に線引きすることは難しく、こりや痛みは複数の筋肉にまたがって生じやすいといえます。
肩こりと首こりに共通する生活習慣
肩こりと首こりは、原因となる生活習慣も共通していることが報告されています。学童期の子ども(10〜15歳)を対象に2年間追跡した調査では、画面を見る時間(ゲームやSNSの利用時間など)が長いほど、首や肩の痛みが新たに生じやすくなる関連が示されており、1日1時間の画面利用時間の増加ごとに、首・肩の痛みが生じるオッズ(起こりやすさの比率)が3.79倍になることが報告されています[Sci Rep. 2022;12:10635.]。
ただし、この関連が確認されたのは追跡2年間のうち最初の1年間のみで、2年目には統計的に明確な関連は見られませんでした。この研究では、首の痛みと肩の痛みを分けずに「首・肩の痛み」として一体的に評価しており、姿勢や画面の見方といった生活習慣が、首と肩の両方に関わりうることを示しています。
肩こりと首こりのケアで意識したいポイント
肩こりと首こりが同じ筋肉・似た生活習慣から生じやすいことを踏まえると、どちらか一方だけを意識してケアするのではなく、首から肩にかけての範囲全体をまとめてケアすることが理にかなっていると考えられます。
肩こりと首こりをケアするうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

どこか一部だけでなく、首から肩にかけて広く手を当てるような感覚でケアすることが、特に重要と考えられます。
ここだけは伝えたいメッセージ
肩こりと首こりは、明確に分けられるものではなく、同じ筋肉・似た生活習慣が関わっていることが多いと考えられています。首と肩を分けずにケアする視点を持つことが、対策の第一歩になると考えられます。しびれや強い痛み、腕に広がる痛みなど気になる症状がある場合は、医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:肩こりと首こり、ケアの仕方の考え方
- 関わる筋肉:首・肩の痛みがある成人では、肩甲挙筋・頚伸筋・棘下筋の圧痛頻度(18〜30%)が上僧帽筋(12.6〜16.1%)より高く、複数の筋肉が同時に関わっていることが報告されています
- 共通する原因:画面利用時間の長さが首・肩の痛みの発生と関連しており、1日1時間の増加ごとにオッズが3.79倍になると報告されていますが、この関連は追跡2年間のうち最初の1年間でのみ確認されています
- ケアの考え方:首と肩を明確に分けず、首から肩にかけての範囲を一緒にケアする視点が理にかなっていると考えられます
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(参考文献)
Andersen LL, Hansen K, Mortensen OS, Zebis MK. Prevalence and anatomical location of muscle tenderness in adults with nonspecific neck/shoulder pain. BMC Musculoskelet Disord. 2011;12:169.
Pirnes KP, Kallio J, Hakonen H, Hautala A, Häkkinen AH, Tammelin T. Physical activity, screen time and the incidence of neck and shoulder pain in school-aged children. Sci Rep. 2022;12:10635.







