

はまさき医院 糖尿病・内分泌科
果物も血糖値を上げますが、多くはGI値が低めです。果汁より丸ごとの果物を選び、一般向けの目標量1日200gを参考に、ほかの食べ物と置き換えるのがおすすめです。
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果物は血糖値を上げる?糖尿病のなりやすさとの関係
果物には糖が含まれますが、多くはGI値が低めの食品に分類されています[Am J Clin Nutr. 2021;114(5):1625-1632.]。GI値とは、食後の血糖値の上がりやすさを示す数値です。ただし、すべての果物が低いという意味ではありません。
食べた量と病気の関係を長い期間追いかけた研究をまとめた分析があります。果物をよく食べる人は、あまり食べない人より2型糖尿病のリスク(なりやすさ)がわずかに低い、という関連が報告されています[BMJ Nutr Prev Health. 2021;4(2):519-531.]。因果関係までは確かめていない研究なので、果物が糖尿病を防ぐとまでは言えません。日本人の研究では、果物の量と2型糖尿病のリスクにはっきりした関連はみられませんでした[Br J Nutr. 2013;109(4):709-717.]。なお、果物の種類別にみると、メロンの一種(カンタロープ)ではリスクが高い方向の関連も報告されています(BMJ. 2013;347:f5001.)。
果物の選び方:丸ごとの果物と果汁の違い
米国の医療従事者約19万人を調べた観察研究があります。丸ごとの果物、特にブルーベリー、ブドウ、リンゴを多く食べる人ほど、2型糖尿病のリスクが低い傾向でした。一方、果汁(ジュース)を多く飲む人では、リスクがわずかに高い傾向がみられました(BMJ. 2013;347:f5001.)。ただし、果物の種類による違いは報告が少なく、まだはっきりしていません[BMJ Nutr Prev Health. 2021;4(2):519-531.]。
果汁についての研究をまとめた分析では、100%でない果汁飲料がリスクの高さと関連していました。100%果汁でははっきりした関連はなく、丸ごとの果物のようなよい関連も示されていません[Am J Med. 2025;138(9):1428-1437.]。どれも観察研究の結果ですが、果汁より丸ごとの果物を選ぶことがひとつの目安になると考えられます。
果物の食べ方:1日200gを目安に「置き換え」で
国の健康づくりの計画(厚生労働省の健康日本21(第三次))では、20歳以上の果物の目標量を1日200gとしています。現状の平均は100g程度で、特に20〜50歳代で不足しています[農林水産省「毎日くだもの200グラム!」]。これは一般の人に向けた目標量で、血糖値が気になる人向けに量を確かめた数値ではありません。
食事を実際に変えて確かめた試験をまとめた分析があります。果物を同じカロリーのほかの食べ物(主にでんぷん質)と置き換えると、HbA1c(過去1〜2か月の血糖の状態)がわずかに(平均0.2%ほど)下がりました。ただし差は小さく、試験ごとのばらつきも大きいとされています。果物を含めた置き換え試験全体では、空腹時の血糖値に差はみられませんでした。また、果汁を今の食事に上乗せした試験では、悪い方向の結果もありました(BMJ. 2018;363:k4644.)。全体として根拠の確かさは低く、果汁の試験は数も少ないとされています。上乗せで悪い方向の結果が出たのは果汁の試験です。このことから、果物はほかの食べ物と置き換える形でとるのがひとつの目安と考えられます。この分析の著者の一部は、果汁や砂糖の業界団体などとの関係を申告しています。なお、食べるタイミングによる違いは、研究のまとめが見つからず、はっきりしていません。
血糖値が気になるときに果物をとるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ここだけは伝えたいメッセージ
果物は、選び方と量を意識しながら、普段の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。なお、健康診断で血糖値が高いと言われた方や、糖尿病の治療中の方は、果物のとり方について医師への相談をご検討ください。
まとめ:果物は「丸ごと・200g・置き換え」で
- 血糖値との関係: 果物の多くはGI値が低め。果物全体では糖尿病のなりやすさがわずかに低い、またははっきりした関連がないという報告がある
- 選び方: 果汁より丸ごとの果物を選ぶことがひとつの目安と考えられる
- 100%でない果汁飲料: リスクの高さと関連したという報告がある
- 量の目安: 20歳以上は1日200gが国の目標量(一般の人向けの値)
- 食べ方: ほかの食べ物と置き換える形でとる(置き換えた試験でHbA1cがわずかに下がった)
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(参考文献)
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Halvorsen RE, Elvestad M, Molin M, Aune D. Fruit and vegetable consumption and the risk of type 2 diabetes: a systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studies. BMJ Nutr Prev Health. 2021;4(2):519-531.
Kurotani K, Nanri A, Goto A, Mizoue T, Noda M, Kato M, Inoue M, Tsugane S; Japan Public Health Center-based Prospective Study Group. Vegetable and fruit intake and risk of type 2 diabetes: Japan Public Health Center-based Prospective Study. Br J Nutr. 2013;109(4):709-717.
Muraki I, Imamura F, Manson JE, Hu FB, Willett WC, van Dam RM, Sun Q. Fruit consumption and risk of type 2 diabetes: results from three prospective longitudinal cohort studies. BMJ. 2013;347:f5001.
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Choo VL, Viguiliouk E, Blanco Mejia S, Cozma AI, Khan TA, Ha V, Wolever TMS, Leiter LA, Vuksan V, Kendall CWC, de Souza RJ, Jenkins DJA, Sievenpiper JL. Food sources of fructose-containing sugars and glycaemic control: systematic review and meta-analysis of controlled intervention studies. BMJ. 2018;363:k4644.
農林水産省「毎日くだもの200グラム!」https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/fruits/f_syohi/index.html.(参照 2026-10-16).







