

監修者Ubie株式会社 産婦人科
一番の違いは、「材料」か「できあがったもの」かです。大豆イソフラボンは、大豆に含まれる成分です。このうち「ダイゼイン」という成分を、腸の中の細菌が作りかえてできるのがエクオールです。エクオールには、女性ホルモンに似たはたらきをする性質があると報告されています。ただし、ダイゼインからエクオールを作れるかどうかは人によって違い、日本人では10人に4人ほどとされています。作れない人が大豆食品をたくさん食べても、体の中にエクオールは増えません。そのため、「エクオールを直接とる」という方法も研究されています。
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大豆イソフラボンとエクオールは、どういう関係?
大豆イソフラボンは、大豆に多く含まれる成分をまとめた呼び方です。そのひとつに「ダイゼイン」があります。
このダイゼインを、腸の中にいる細菌が作りかえると、「エクオール」という成分になります。
つまり、
- 大豆イソフラボン(ダイゼイン)= 材料
- エクオール = 腸内細菌が作ったもの
という関係です。
エクオールには、女性ホルモンに似たはたらきをする成分の「受け皿」に結びつきやすいという性質があります。これは試験管の中の実験で確かめられています。
エクオールを作れる人と作れない人がいる
大豆を食べれば誰でもエクオールができる、というわけではありません。腸の中に、作りかえる役割の細菌がいるかどうかで決まります。
日本人の成人約1,000人(男女)を調べた研究では、エクオールを作れる人は43.8%でした。およそ10人に4人です。ただし、研究の結果には幅があり、20%〜42%と報告によって差があります。調べ方が違うためです。
海外と比べると、欧米では約30%、日本や韓国などではそれより多いとされています。大豆を食べる習慣の違いが関係していると考えられています。
同じように大豆製品を食べても、感じ方に差が出るのは、このためと考えられます。
大豆イソフラボンをとれば必ず効く、とは限りません
意外に思われるかもしれませんが、エクオールを作れる人でも、大豆をとって症状が軽くなるとは限らないという研究があります。
エクオールを作れる中国人の閉経後の女性270名(血圧が高めの人たち)を、6か月間調べた研究です。
大豆粉をとるグループ、ダイゼイン(エクオールのもと)をとるグループ、見た目が同じ偽の食品をとるグループの3つに分けて比べました。
その結果、3つのグループの間で、更年期症状の軽さに大きな差はありませんでした。「大豆をとれば更年期が楽になる」と単純に言えるわけではない、ということです。
エクオールを直接とると、どうなる?
そこで、エクオールそのものを直接とる方法が研究されています。
① 複数の研究をまとめた分析
5つの研究(合わせて728人)をまとめた分析では、ほてりやのぼせ(ホットフラッシュ)の回数や強さが軽くなったと報告されています。
ただし注意点があります。5つの研究のうち2つでは、はっきりした効果は見られませんでした。まとめると効果ありでしたが、研究ごとに結果は割れています。
② 日本人女性を対象にした研究
40〜59歳の日本人女性134名を、エクオールを1日30mgとるグループ、1日10mgとるグループ、偽物をとるグループの3つに分けて、12週間調べた研究があります。
結果は、次のようになりました。
- 30mgのグループは、偽物のグループと比べて、気分の落ち込み・不安・疲れが軽くなり、元気さが増しました
- エクオールを作れない人は、30mgをとる前と後を比べると、更年期症状が軽くなっていました(ただしこれは偽物のグループとの比較ではありません)
- 10mgのグループでは、こうした差は示されていません
なお、この研究では1名に発疹が出たことが報告されています。また、各グループ40名台と参加者が少ない研究です。
とりすぎには目安があります
大豆イソフラボンについては、国(食品安全委員会)が摂取量の目安を示しています。
- 1日にとる上限の目安:70〜75mg(大豆イソフラボンアグリコンという計算での量)
- サプリメントなどで、ふだんの食事に上乗せしてとる分の上限:1日30mg
- 妊婦さん、赤ちゃん、子ども:上乗せしてとることはすすめられていません
ただし国は、「この目安を超えたからといって、すぐに体に害が出るというものではない」とも説明しています。慎重に見積もった数字だからです。
- 大切な注意:この目安は大豆イソフラボンについてのもので、エクオールそのものに当てはまるものではありません。別のものとして考えてください
更年期ケアへの取り入れ方
まずは、豆腐・納豆・豆乳などの大豆食品を、無理のない範囲で毎日の食事に取り入れることが土台になります。大豆食品には、イソフラボン以外の栄養も含まれています。
そのうえで、エクオールを作れるかどうかには差があるため、エクオールを含む食品(サプリメント)を補助として検討するという方法もあります。
自分が作れる体質かどうかは、見た目ではわかりません。検査で調べる方法もあります。

ここだけは伝えたいこと
エクオールを含む食品(サプリメント)は、薬ではありません。更年期のつらさを治すものではなく、あくまで食生活を補うものです。効果の感じ方にも差があります。
特に、次の方は自己判断で始めず、主治医に相談してください。
また、更年期のつらさにはホルモン補充療法や漢方薬など、医療機関で受けられる治療があります。生活に支障が出るほどつらいときは、サプリメントで様子を見るより、婦人科への相談をご検討ください。
まとめ
- 違い:大豆イソフラボン(ダイゼイン)は「材料」、エクオールは腸内細菌がそれを作りかえた「できあがったもの」です
- 体質の差:作れるかは人によって違い、日本人では10人に4人ほど(研究によって20〜42%と幅があります)
- とれば効くとは限らない:作れる人でも、大豆をとって症状に差が出なかった研究があります
- 直接とる研究:作れない人がエクオールをとると、ほてりや気分の症状が軽くなったという報告があります。ただし、研究によって結果は割れています
- 量の目安:大豆イソフラボンは、上乗せ分で1日30mgまでが目安とされています
持病や薬がある方、妊娠中の方は、必ず医師に相談してください。
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