
夏の「頭がぼーっとする」は脱水のサインなのか、認知機能と水分補給の関係や対策を教えてください。
監修者おだかクリニック 循環器内科 副院長
体重の1〜2%程度の軽い脱水でも認知機能が低下する可能性があり、「ぼーっとする」は水分不足のサインかもしれません。
「頭がぼーっとする」と脱水の関係|認知機能への影響
夏場に「頭がぼーっとする」「集中力が続かない」と感じるとき、その原因は暑さだけでなく脱水(だっすい=体の水分が不足した状態)にある可能性があります。体重の1〜2%程度(体重60kgの方で約600ml〜1.2L)の軽い脱水でも、注意力・集中力・短期記憶などの認知機能が低下することが、複数の研究を統合した分析で報告されています[Med Sci Sports Exerc. 2018;50(11):2360-2368.]。この程度の脱水は、喉の渇きを明確に感じない段階で起こるため、自覚なく進行しやすいのが特徴です。
脱水が認知機能に影響するメカニズム
脱水が起こると、血液量が減少し脳への血流が低下することで、認知機能に影響が出ると考えられています。また、脱水に伴う体温上昇や電解質(でんかいしつ=ナトリウムやカリウムなどのミネラル)のバランスの変化も、脳の情報処理能力に影響を及ぼす可能性があります。日本救急医学会の熱中症診療ガイドライン2024では、暑い環境下での作業や運動時にこまめな水分・塩分の補給が推奨されています。
夏の水分補給のコツ|脱水を防ぐ生活習慣
脱水を防ぐ基本は、喉が渇く前にこまめに水分を摂ることです。一度に大量に飲むよりも、1回にコップ1杯(150〜200ml)程度を30分〜1時間ごとに摂るのが効果的とされています。環境省の熱中症環境保健マニュアル2022では、屋外での活動時に0.1〜0.2%の食塩水やスポーツドリンクの摂取が推奨されています。起床時・入浴前後・就寝前は特に水分が失われやすいタイミングのため、意識的に水分を摂ることが大切です。
経口補水液や電解質を含む機能性食品の活用
日常の水分補給に加え、大量に汗をかいた場合や脱水の初期症状がみられる場合には、経口補水液(けいこうほすいえき=水分と電解質を効率よく補給できる飲料)の活用が有用です。経口補水液はスポーツドリンクよりもナトリウム濃度が高く、脱水時の水分・電解質の補給に適しているとされています。ただし、日常的な水分補給には水やお茶で十分であり、経口補水液は脱水のリスクが高い場面での使用が推奨されます。電解質を含むタブレットや飴なども、外出時の手軽な補助として活用できますが、過剰摂取には注意が必要です。
夏の脱水予防を考えるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、喉の渇きを感じる前からこまめに水分を摂る習慣をつけることであると考えられています。
ここだけは伝えたいメッセージ
夏の「頭がぼーっとする」は、暑さによる軽い脱水のサインである可能性があります。こまめな水分補給を習慣にすることで、認知機能の低下を防ぎ、快適に過ごしやすくなります。
ただし、激しい頭痛・吐き気・意識がもうろうとするなどの症状がある場合は、熱中症の可能性があります。涼しい場所で休息しつつ、早めに医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:脱水と認知機能の関係と夏の水分補給

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