網膜色素変性症がある場合は結婚できないのでしょうか?子供や孫に遺伝しますか?

両者が合意していれば結婚することは可能です。しかし、子どもや孫に遺伝する可能性は考えられます。

解説

網膜色素変性症がある場合でも、遺伝形式やパートナーによっては、遺伝する可能性が低い場合もあります。そのため、両者の合意があれば結婚することは可能です。しかし、子どもや孫に遺伝する可能性は否定できません。

網膜色素変性症は、目の内側で光を感じる組織である「網膜」に異常が見られる、遺伝性の病気です。遺伝性の病気とは言うものの、明らかな遺伝が確認できるケースは全体の約50%です。しかし、遺伝が確認できない場合でも遺伝子のどこかに変異が起こり、何らかの形で遺伝と関係していると考えたほうがよいでしょう。

遺伝形式は主に以下の3つがあります。

常染色体潜性(劣性)遺伝(25~30%)

遺伝子は、父親由来のものと母親由来のものがあり、常染色体潜性遺伝では父親由来の遺伝子と母親由来の遺伝子両方に変異がある場合に発症します。そのため、自身と同じような変異を持っているパートナーに出会う可能性は、血縁者でなければ低いと考えられます。

常染色体顕性(優性)遺伝(15~17%)

常染色体顕性遺伝では、父親由来の遺伝子と母親由来の遺伝子のどちらか一方に変異があると発症します。

X連鎖性遺伝(0.5~1.6%)

X連鎖性遺伝では、通常は男性が発症し、母方の祖父も同じ病気で、母親が病気の保因者(遺伝子の変異を持っているが自身は発症しない)という形の遺伝形式をとります。

公開日

最終更新日

東日本橋内科クリニック 眼科

恒矢 美貴 監修

(参考文献)

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