「椎骨動脈解離」とはどのような病気ですか?
首から脳に血液を送る「椎骨動脈」の内側の膜が傷つき、そこから血液が流れ込んで血管が裂けていく病気です。
首から脳に向かって血液を送っている動脈(心臓から全身の組織や臓器へ血液を運ぶ血管)は主に4本あります。左右の「内頚動脈」(2本)と左右の「椎骨動脈」(2本)です。内頚動脈は首の前側に、椎骨動脈は首の後ろ側にあります。これらの動脈は「内膜+内弾性板」「中膜」「外膜」から成る3層構造をしています。また、これら3層を合わせて「動脈壁」と呼びます。
動脈解離は、動脈壁のうち内弾性板が断裂し、血液が中膜の平滑筋層内に流れ込んで、「偽腔」を形成することで発生します。偽腔とは、動脈が裂けたことによってできる血液の通り道のことです(血液が元々流れていたところは「真腔」と言います)。
公開日:
最終更新日:
病院勤務 脳神経内科
鈴木 智 監修
(参考文献)
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椎骨動脈解離
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椎骨動脈解離の原因や考えられる症状には何がありますか?
首の急なひねりなどが原因と言われています。発症すると首の後ろや後頭部に激しい痛みを感じ、進行すると脳梗塞やくも膜下出血を起こすことがあります。
椎骨動脈解離には初期症状はありますか?
首の後ろや後頭部に突然痛みが生じるのが特徴です。
椎骨動脈解離の場合、主にどのような治療をしますか?
くも膜下出血を予防するために手術で治療します。また、発症後すぐに治療が開始でき、かつ症状が軽い場合には、薬による治療で経過を見ることもあります。
椎骨動脈解離が疑われる場合、何科を受診したらよいですか? また、受診の目安はありますか?
首の後ろや後頭部に痛みを感じたら、早めに脳神経外科や脳神経内科を受診しましょう。痛みが強い場合やめまい・吐き気がある場合は救急車を呼んでください。
椎骨動脈解離と診断された場合、どのくらいの期間、安静にする必要があるのでしょうか?
少なくとも1ヶ月以上の安静期間を設けましょう。
椎骨動脈解離はどのような検査で診断しますか?
画像検査(MRI・MRA、CTA、脳血管撮影)で診断します。
椎骨動脈解離はどのような年代で多いですか?
40〜50歳代に多いと言われています。
椎骨動脈解離を予防するために、避けたほうがよいことはありますか?
首を急に動かす動作、首をポキポキ鳴らす癖、喫煙は避けたほうがよいでしょう。
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