フォン・ヴィレブランド病の診断基準を教えてください。
出血症状の有無、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)の抗原量や活性を検査することでフォン・ヴィレブランド病と診断します。
フォン・ヴィレブランド病(VWD)は、出血症状があり、フォン・ヴィレブランド因子抗原(VWF抗原量)、VWFリストセチンコファクター活性(VWF活性)が30%未満の場合、VWDと診断できます。
ただし、種々の原因でVWF抗原量やVWF活性は変動することから、これら抗原量や活性が30~50%でもVWDを否定することができないこともあり、繰り返し測定が必要です。
VWDの病型診断としては、VWF活性、VWF抗原量、リストセチン惹起血小板凝集能検査(RIPA)※1、VWFマルチマー解析※2の結果をもとにタイプ1〜3の病型に分けることができます。
病型には以下があります。
- 1型:正常VWFの量的減少。VWF抗原量またはVWF活性が30%以下
- 2型:VWFの機能異常。更にRIPAやVWFマルチマー解析により、2A、2B、2M、2Nに分けられる
- 3型:VWFの完全欠損。VWF抗原量とVWF活性ともに測定感度以下
※1 リストセチン惹起血小板凝集能検査(RIPA):VWFがないと、リストセチンは血小板凝集を起こさないことを利用した検査法。
※2 VWFマルチマー解析:VWFは、2~80個の基本単位が繋がった多量体(マルチマー)として存在しており、そのVWFマルチマーの質と量を解析します。
公開日:
最終更新日:
兵庫医科大学病院 輸血・細胞治療センター 血液内科
山原 研一 監修
(参考文献)
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